こんにちは。たかです。
今回は、歩き遍路 初日(1日目)の体験談を紹介します。
ルートや距離、持ち物、実際に感じたことまで詳しくまとめています。
これからお遍路を始めたい方の参考になれば幸いです。
初日ルートと行程表
ルート
行程表
| 地点 | 名称(Googleマップ) | 次の目的地までの距離 km | 歩き時間 hr |
| A | 板東駅 | 1.0 | 0.3 |
| B | 1番 霊山寺(MAP) | 1.4 | 0.5 |
| C | 2番 極楽寺(MAP) | 2.6 | 0.6 |
| D | 3番 金泉寺(MAP) | 4.0 | 1.0 |
| E | 善根宿 溝渕工務店 |
合計:約9km(初日としては無理のない距離)
歩き遍路スタート|板東駅に到着
4月25日 晴れ。歩き遍路には適した気候でした。
歩き遍路のスタートは、JR在来線の板東駅。
1番札所 霊山寺の最寄り駅です。
到着したのは13時ごろでした。

ここから、いよいよお遍路が始まります。
この先への不安と、何が起こるか分からない好奇心。
その二つが入り混じり、これまで味わったことのない感覚に包まれていた。
ただ、不思議と不安よりも好奇心が勝っている。
胸の奥には、わくわくする気持ちの方が強かった。
1番札所 霊山寺|装備を整え、初めての読経
板東駅から歩いて約15分で、
第1番札所・霊山寺に到着。
ここは「お遍路のスタート地点」として知られるお寺です。

霊山寺の歴史
霊山寺は、四国八十八ヶ所巡礼(全長約1460km)の第一番札所であり、「発願の寺」として遍路の出発点にあたる。奈良時代、聖武天皇の勅願により行基が創建したと伝えられる。
平安時代の弘仁6年(815年)、弘法大師がこの地で37日間の修行を行い、人々の88の煩悩を浄化する霊場の開設を祈願した。その際、釈迦がインドの霊鷲山で説法する光景を感じ取り、「霊山寺」と名付けられたとされる。
その後、戦国時代に長宗我部元親の兵火で焼失するも、阿波藩主・蜂須賀光隆により復興。しかし明治時代にも火災で多くを失い、現在の堂宇は比較的新しいものが多い。
見どころ
霊山寺は遍路の出発点として、心構えを整える重要な寺である。
主な見どころは以下の通り:
- 多宝塔(応永年間建立、五智如来像を安置)
- 明治の庭(発願の寺を象徴する庭園)
遍路の第一歩として、精神的な準備を整える場となっている。
お遍路用品を揃える
霊山寺では、お遍路に必要なものが一通り揃います。
私もここで一式を購入しました。
- 菅笠
- 白装束(上下)
- ずた袋
- 金剛杖
- 蝋燭・線香
- 納め札
- 納経帳
- お経書
初めての方でも、ここで安心して準備を整えることができます。
菅笠は中サイズを選びました。
大きすぎるとリュックに引っかかりやすいと事前に知っていたためです。
ただし、これだけ揃えるとそれなりに重量が増えます。
歩き遍路で最も重要なのは、とにかく荷物を軽くすること。
現地で装備を購入する予定の方は、事前の荷物と合わせた総重量を意識しておくことをおすすめします。
なお、ここで買い忘れても問題ありません。
他のお寺でも必要な道具は購入できますし、無理にすべてを揃える必要もありません。
金剛杖は、一周歩くと数十センチ削れて短くなるとも言われています。
私の新品の杖は、まだ胸の高さまでありますが、結願の頃にはどれほど短くなっているのでしょうか。
装備品については、別の記事で詳しくまとめています。

参拝で初めての読経(般若心経)
私は仏教徒ではありませんが、
お遍路のルールに従って参拝することにしました。
お寺での参拝の基本的な流れは、以下の通りです。
① 山門で一礼
まずは門の前で軽くお辞儀をします。
② 手水で身を清める
手と口を清めてから境内へ。
③ 鐘をつく
参拝前に鐘を鳴らします。
※時間帯や近隣への配慮を忘れずに。
④ 本堂で参拝
- 納札を納める
- 蝋燭と線香をあげる
- お賽銭を入れる
- 読経する
⑤ 大師堂で参拝
本堂と同じ手順で参拝します。
⑥ 納経所で御朱印をいただく
参拝後に納経帳へ記帳してもらいます。
⑦ 山門で一礼して退出
最後にもう一度お辞儀をしてお寺を後にします。
注意点
- 鐘は必ず参拝前に鳴らすこと
参拝後に鳴らす「戻り鐘」は、御利益を落とすとされています。 - 納経所は混雑時に注意
団体客などで混んでいる場合は、先に納経帳を預けておくことも可能です。
初めて唱える般若心経は想像以上に難しく、
特に呼吸のタイミングが分からず、かなり苦しかったです。
「これ、本当に慣れるのか…?」
と不安になったのを覚えています。
お寺での基本的な作法は別記事で解説しています。
14時30分出発|2番札所 極楽寺へ
準備と参拝を終え、14時30分に霊山寺を出発。
2番札所・極楽寺までは約1.5km。
道も分かりやすく、迷うことはありません。
道中での出会い
霊山寺から次の札所へ向かう道中、
金剛杖を手に白装束をまとった中年の女性2人組と出会いました。
軽く挨拶を交わすと、
「私たちもこれから歩いて回るんです」と微笑んで話してくれました。
同じように、これから長い道のりを歩き始める仲間がいる。
そのことに、少し心強さを感じたのを覚えています。
徳島県は「発心の道場」と呼ばれる場所。
お遍路の始まりの地です。
人それぞれ、抱えている思いや理由は違います。
それでも皆、何かを胸に、この道を歩き始めます。
その空気を、確かに感じた瞬間でした。
2番札所 極楽寺に到着
15時ごろに到着しました。
極楽寺は落ち着いた雰囲気のお寺で、
初日の緊張も少し和らいできたのを感じました。

極楽寺の歴史
極楽寺は行基菩薩の開基と伝えられるが、弘仁6年(815年)、弘法大師がこの地で21日間『阿弥陀経』を読誦し修行を行ったことが起源とされる。結願の日に阿弥陀如来が現れ、その姿を刻んで本尊とした。
本尊の阿弥陀如来は強い光を放ち、遠く鳴門の沖まで届いたと伝わる。この光が漁の妨げになるとして、前に小山を築いて遮った故事から「日照山」と号されるようになった。
その後、戦国時代に長宗我部元親の兵火で焼失するも、江戸時代の万治2年(1659年)、阿波藩主・蜂須賀光隆の援助で再建された。
境内の特徴
三方を山に囲まれた静かな境内には、仁王門の先に極楽浄土を思わせる庭園が広がる。石段を上がった先に本堂があり、奥には大師堂がある。
大師堂の弘法大師像は「安産大師」として信仰され、安産祈願に霊験があるとされる。
また、境内には樹齢約1200年の「長命杉」があり、家内安全・病気平癒・長寿のご利益がある霊木として知られ、鳴門市の天然記念物にも指定されている。
見どころ
- 仏足石
- 願掛け地蔵
- 本尊・阿弥陀如来像(秘仏)
自然と信仰が調和した、落ち着いた雰囲気の寺院である。
3番札所 金泉寺|初日のゴール
続いて3番札所・金泉寺へ向かいます。
距離は約2.6km。
こちらも道は分かりやすく、スムーズに到着できました。

金泉寺の歴史
金泉寺は、奈良時代に聖武天皇の勅願により行基菩薩が創建し、当初は「金光明寺」と称された。本尊には釈迦如来を中心に、阿弥陀如来・薬師如来の三尊像が安置されていた。
平安時代、弘法大師がこの地を訪れ、干ばつに苦しむ人々のために井戸を掘ると霊水が湧出。この水は「長寿をもたらす黄金の井戸」とされ、寺名は「金泉寺」と改められた。
その後、亀山天皇(法皇)が滞在し、三十三間堂に倣った堂舎を建立。千手観音像を祀り、山号も「亀光山」とされた。以降、皇室との関わりが深まり、長慶天皇の陵も境内にある。
また、源平合戦の際には源義経が立ち寄り戦勝祈願を行ったと伝えられている。
境内の特徴
境内には子育てや開運を願う「慈母観音子安大師」や、弁慶にまつわる「弁慶石」などがあり、歴史と信仰が色濃く残る。
開運・安産・子育てのご利益を求め、多くの参拝者が訪れる寺である。
見どころ
- 沙羅双樹(さらそうじゅ)
- 熊蜂(くまんばち)
歴史的背景と伝説が融合した、見どころ豊富な札所である。
善根宿へ|疲れと夕暮れの道
納経所の受付時間は、8時から17時まで。
この時間を過ぎると御朱印はいただけません。
本日は、金泉寺で打ち止めとしました。
これから今夜の寝床を探します。
初日ということもあり、あらかじめ調べておいた善根宿を目指すことにしました。
善根宿とは
善根宿(ぜんこんやど)とは、
四国八十八ヶ所を巡るお遍路さんのために、無料または格安で宿泊場所を提供する施設・民家のことです。
善根宿は、四国に古くから根付く「お接待(おせったい)文化」の一つです。
お遍路さんに対して、
- 食べ物を渡す
- 休憩場所を提供する
- 宿を貸す
といった行為は、徳を積む(善根を積む)行いとされてきました。
そのため「善根宿」という名前になっています。
夕暮れの道|疲れ始めた身体
時刻は17時を過ぎ、
西日を正面に受けながら歩き続けます。
まだ歩いた距離は10kmほど。
数字だけ見れば大したことはありません。
しかし、10kgのリュックを背負って歩くのは、
日常ではなかなかない経験です。
少しずつ、肩や足に疲れを感じ始めました。
それでも歩みを止めることはありません。
ただ前へ、次の目的地へと足を運び続けます。
この日は3番札所までで終了。
初日から無理をせず、
少しずつ慣れていくことが大切だと感じました。
宿での出会い|不安がほどけた瞬間

善根宿「溝渕工務店」に到着した。
ここは、300円を料金箱に入れるセルフ方式の宿だ。
電気と水道は使えるが、Wi-Fiはない。6畳ほどの簡素な空間が、今夜の宿だ。
中にはすでに先客がいた。70代くらいの女性。
話をしてみると、歩き遍路を一周されたという。
道中の注意点や体験談を聞くうちに、
初日から感じていた不安が、少しずつほどけていく。
不思議と、先の道が明るく見えた。
これも弘法大師の導きなのだろうか。
夜ご飯は、道中のコンビニで買ったおにぎりと菓子パン。
4月とはいえ、夜の冷え込みは油断できない。
寝袋に身を包み、静かな夜に身を委ねた。
まとめ|歩き遍路1日目を終えて
歩き遍路の初日は、
不安と期待が入り混じる、特別な一日でした。
実際に歩いてみて感じたことは以下の通りです。
- 初日は無理をせず、3〜4ヶ寺でも十分
- 荷物はとにかく軽くすることが重要
- 納経所の時間(8時〜17時)に注意
- 善根宿はありがたい存在だが、マナーが大切
そして何より、
道中での出会いや空気感は、実際に歩いてみないと分かりません。
遍路を始めて半日だけど色々な体験ができた、そんな一日でした。
よくある質問FAQ
- Q外国人でも四国遍路はできますか?
- A
はい、可能です。実際に歩いていると、多くの外国人のお遍路さんに出会いました。
- Q仏教徒でなくてもお遍路はできますか?
- A
はい、問題ありません。お遍路は宗教に関係なく参加できます。観光や自己探求の一環として歩いている方も多くいます。
- Q女性一人でも歩き遍路はできますか?
- A
はい、可能です。実際に女性の一人遍路や、外国人女性、高齢の方(70代ほど)にも出会いました。無理のない計画と安全対策をすれば問題ありません。
- Q歩いて回らないといけませんか?
- A
いいえ。車や観光バスで巡る方も多く、むしろ一般的です。どの方法でもお遍路としての意味や御利益に大きな違いはありません。
- Q一度で回らないと意味がありませんか?
- A
いいえ。複数回に分けて巡っても問題ありません。ご自身のペースで無理なく続けることが大切です。

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