こんにちは。たかです。
今回は、歩き遍路 2日目の体験談を紹介します。
多くの方は、初日の歩行時間が半日ほどにとどまるため、実質的な遍路のスタートは2日目からになることが多いです。
2日目は「歩く時間が長く、足の痛みが出始める最初の壁」です。
特に30km前後歩く人は、ペース配分とケアが重要になります。
そこで、2日目に感じやすい足の痛みや特有の課題についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
歩き遍路2日目のルートと行程表【徳島4〜10番】
ルート
基本は県道12号を西へ進むシンプルなルートです。
行程表
| 地点 | 名称(Googleマップ) | 次の目的地までの距離 km | 歩き時間 hr |
| A | 善根宿 溝渕工務店 | 5.0 | 1.4 |
| B | 4番 大日寺(MAP) | 2.0 | 0.5 |
| C | 5番 地蔵寺(MAP) | 5.3 | 1.3 |
| D | 6番 安楽寺(MAP) | 1.2 | 0.3 |
| E | 7番 十楽寺(MAP) | 4.2 | 1.2 |
| F | 8番 熊谷寺(MAP) | 2.4 | 0.6 |
| G | 9番 法輪寺(MAP) | 3.8 | 1.0 |
| H | 10番 切幡寺(MAP) | 9.0 | 2.5 |
| I | 善根宿 鴨島温泉 |
合計:約32km
※初心者にはハードな距離です。
→一般的な遍路ペースは20〜25km程度
→無理すると2日目でリタイアの原因になります
二日目スタート|実質ここからが本番
4月26日 晴れ。今日は歩き遍路二日目。
昨日は昼からのスタートだったため、実質的には今日が本格的な始まりです。
前日の疲れはほとんど残っておらず、体の調子も良好。
天気にも恵まれ、「今日もしっかり歩けそうだ」と前向きな気持ちでスタートしました。
明日は遍路の難所「焼山寺」へ|鴨島温泉を目指す
明日は、お遍路の難関として知られる「遍路転がし」、第12番札所・焼山寺を目指します。
遍路転がしとは、お遍路さんが転がり落ちそうになるほど険しい道を指す言葉で、いわゆる難所のことです。
この「遍路転がし」は遍路道に点在しています。
このルートは山道が続く厳しい行程のため、できるだけ焼山寺に近い場所で宿泊しておきたいところです。
そこで本日の目的地は、第11番札所の手前にある「鴨島温泉」に決めました。
鴨島温泉とは|無料で泊まれる遍路向けスポット
鴨島温泉は温泉施設ですが、敷地内には簡易的な宿泊小屋が併設されています。
特徴的なのは、温泉施設(500円)を利用すれば無料で宿泊できる点です。
歩き遍路にとっては非常にありがたい存在で、多くのお遍路さんが利用しています。
翌日の焼山寺に備えて、しっかり体を休めることができる重要な拠点です。
善根宿を出発して4番大日寺へ
二日目は5時30分に起床。軽く身支度を整え、6時に宿を出発しました。
部屋で一緒だったおばさんはまだ眠っていたので、そっと部屋を後にします。
まず向かうのは第4番札所・大日寺。山の中腹に位置するお寺で、標高は約100m。
背中に10kgの荷物を背負って登る坂道は、思った以上に体力を消耗します。
しかし、杖を上手に使いながら歩くことで、朝の澄んだ山の空気をゆっくり味わうことができました。
早朝の境内|静けさの中での参拝
7時に大日寺に到着。早朝の境内にいるのは、自分ひとりだけ。
人の気配はなく、静寂に包まれた特別な空気が流れていました。
その雰囲気を感じながら、ゆっくりと参拝を済ませます。

大日寺の歴史
大日寺は、阿讃山脈の黒谷川沿いに南向きの伽藍を構える寺院で、弘仁6年(815年)に弘法大師が大日如来を感得し、一寸八分の像を彫造したことが由来とされる。地元では「黒谷寺」とも呼ばれ、黒巌山の名の由来ともなった。
境内の見どころ
- 木造大日如来坐像:秘仏、本尊、応永14年(1407年)造立と推定。
- 大日堂(本堂):慶安2年(1649年)建立。
- 弘法大師堂:江戸時代末期(文久3年/1863年)建立。
黒谷の地形を生かした伽藍と歴史的建造物が揃う、格式ある密教寺院である。
5番 地蔵寺を目指す|日本最多の仏様
登ってきた山を下り、次は第5番札所・地蔵寺を目指します。約2kmの距離です。
地蔵寺は、大日寺へ向かう途中に通った道沿いにあり、ルートも分かりやすく、迷うことはほとんどありません。

地蔵寺の御本尊|地蔵菩薩とは
地蔵寺の御本尊は、地蔵菩薩です。
地蔵菩薩は、日本で最も多いといわれている仏様のひとつです。
道ばたや山の中、お寺の境内など、さまざまな場所で見かけることができます。
地蔵菩薩は、子どもや旅人、亡くなった人を守る仏様として信仰されています。
そのため、昔から多くの人々に親しまれてきました。

地蔵寺の歴史
地蔵寺は、嵯峨天皇の勅願により弘仁12年(821年頃)、弘法大師が開創したとされる。大師は自身で勝軍地蔵菩薩(約5.5cm)を彫り、本尊として安置した。
奥の院の羅漢堂は安永4年(1775年)に創建された五百羅漢堂で、大正4年の火災後は約200体の等身大羅漢像が並ぶ。境内には樹齢800年を超える大銀杏もある。
見どころ
- 勝軍地蔵像
- 淡島堂
- 水琴窟
歴史深い古刹で、信仰と自然の風格が感じられる寺院である。
6番 安楽寺を目指す|温泉で有名
地蔵寺から安楽寺までは約5kmあります。
一度来た道を戻り、その後は県道12号線を西へ進めば、迷うことはありません。
遍路道の案内は安心
四国のお遍路道には、道しるべのシールが随所に貼られています。
電柱やガードレール、山中にも設置されており、矢印に沿って歩けば迷うことはありません。
慣れれば、スマートフォンに頼らず、道しるべだけで巡礼を進めることもできます。
逆に、道しるべを見かけなくなった場合は、コースを外れている可能性が高いため注意しましょう。
ちなみに私は、スマートフォンに頼ることなく、コンパスと地図だけで巡ることができました。

迷いやすいところは複数貼ってて分かりやすい

ガードレールに貼られた英語の道しるべ

山中の看板
9時30分 安楽寺に到着

安楽寺では、地元の方々によるお接待で、甘酒を一杯いただきました。
歩き疲れた体に染みわたり、ほっと一息つくことができました。
また、安楽寺には温泉付きの宿坊があり、宿泊することもできます。
天然の霊泉を使ったお風呂で、歩き疲れた体をじっくり癒せるのが魅力です。
食事付きや素泊まりなどのプランもあり、お遍路さんはもちろん、一般の旅行者でも気軽に利用できます。
安楽寺の歴史
安楽寺は、元禄2年(1689年)の『四國禮霊場記』に記される古刹で、阿讃山麓から現在地にかけて寺域が広がっていた。山号は温泉山で、弘法大師が温泉湯治の利益を伝えた旧跡とされ、大師堂前から現在も温泉が湧く。
見どころ
- 山門の仁王像:松本明慶作
- 本堂前の拝殿:弘法大師の一代記彫刻
- 多宝塔・さかまつ
- 宿坊:400年の歴史、天然温泉の大浴場でお遍路に人気
温泉と信仰が融合した歴史ある寺院で、建築や仏像も見どころが多い。
7番 十楽寺は安楽寺から徒歩20分

十楽寺は安楽寺から約1.2km、徒歩で20分ほどの距離にあります。
道も西へ進むだけなので、迷うことはほとんどありません。
十楽寺の歴史
十楽寺は、大同年間に弘法大師が巡教中に阿弥陀如来を感得し、自ら刻んだ像を本尊として祀ったことに始まる。大師は、人間が避けられない生・老・病・死の苦難を超えて「10の光明と楽しみ」が得られるようにと、「光明山十楽寺」と命名した。
見どころ
- 山門
- 水子地蔵(山門正面)
- 治眼疾目救歳地蔵尊(眼病平癒の信仰)
- 愛染明王(良縁・悪縁祈願)
眼病治療や縁結びに訪れる参拝者が多い、信仰深い寺院である。
8番 熊谷寺を目指す|ここで足に違和感が
足の裏の痛み|序盤で思わぬ壁
時刻は11時30分くらい。本日15kmほど歩いた頃に、足の裏に痛みが出始めました。
日頃から運動はしていたので、体力には自信がありました。しかし、遍路はまったく別物でした。
痛みは消えるどころか増していき、歩くペースも徐々に落ちていきます。
「こんな序盤でやばい…」と思いましたが、止める選択肢はありません。
予定していた1週間の区切り遍路は必ず回りきる。
ただし、当初計画していた目的地までたどり着けないかもしれません。それで十分です。無理は禁物。(最終的に計画していた室戸岬まで歩くことができました。)
この時点では痛みに耐えながら歩いていましたが、後に「足が痛くなりにくい歩き方」が分かるようになります。
💡 補足
足の痛みの原因や、痛みにくい歩き方については別記事で詳しくまとめています。
⇒ 「歩き遍路で足が痛くならない歩き方ガイド」
道中、お地蔵様の姿を見かけました。
そっと背中を押してくれるような気がして、不思議と力が湧いてきます。

足の痛みに耐えながら熊谷寺に到着
足の痛みに耐えながら、なんとか熊谷寺に到着しました。
境内に入ると、まずは背負っていたリュックサックを下ろします。
その瞬間、体が一気に軽くなり、思わずほっとしました。
少しでも足を休めて回復させたい。
そう思いながら、気持ちを整えて参拝へと進みます。

熊谷寺の歴史
熊谷寺は、四国霊場でも最大級の仁王門を持つ古刹で、弘仁6年(815年)、弘法大師が閼於ヶ谷で修行中、紀州・熊野権現より「末世の衆生を救え」と告げられ、5.5cmの金の観世音菩薩像を授かったことに始まる。
見どころ
- 大師堂:室町時代の弘法大師坐像を安置
- 多宝塔
- 弁天島:納経所横、太鼓橋のある安産祈願所
歴史ある建築と信仰が色濃く残る、四国霊場の重要な札所である。
9番 法輪寺へ|団体客のにぎわい
13時、法輪寺に到着。
境内には観光バスが停まり、30人ほどの団体客でにぎわっていました。
「歩いて回ってるの?頑張ってね」
そんなふうに声をかけてもらい、少し元気をもらいます。
団体の方々の流暢な読経が響く中、私はまだたどたどしい読経。
なかなか慣れませんが、それもまた遍路の一歩だと感じました。

法輪寺の歴史
弘仁6年(815年)、弘法大師が巡教中に白蛇を見つけ、仏の使いとされる白蛇にちなみ、釈迦の涅槃像を彫造して本尊とし、寺を開基したと伝えられる。
見どころ
- 本堂のわらじのお守り
白蛇伝説と弘法大師の霊跡にまつわる歴史が色濃く残る寺院である。
本日最後のお寺 10番切幡寺へ
本日最後の寺、切幡寺を目指します。
法輪寺からは約4kmですが、切幡寺は山の中腹にあり、最後に約100mの登りが待っています。
すでに足の痛みは限界を超えている状態。
そんな中での坂道は、正直かなりきついものがあります。
それでも、杖に体重を預けながら、一歩ずつ無理やり登り切りました。

切幡寺の歴史
切幡寺は、切幡山中腹(標高155m)に位置する。弘法大師が、機を織る乙女から布を譲り受けたことが由来で、乙女は父母のために観音を祀り、仏門に入り即身成仏したと伝えられる。大師はその姿を千手観音菩薩に変じた乙女として安置した。これにより「女人即身成仏の寺」として女性巡礼者に人気を集める寺となった。
見どころ
- 山麓から本堂までの参道
- 切幡寺大塔:国指定重要文化財
- はたきり観音:乙女が即身成仏して観音に化身した銅像(右手にハサミ、左手に布)
七色の光を放つ善女にまつわる伝説が魅力の霊場である。
今日の参拝を終えて|宿を目指す
今日の目標のひとつ、10番・切幡寺の参拝を無事終えました。
そしてもうひとつの目標、本日の宿である鴨島温泉へ向かいます。
時刻は15時過ぎ。
鴨島温泉までの距離は、およそ9km。
日没までには到着したいところです。
道中の無料休憩所で10分ほど休憩
リュックを数分下ろすだけで、体がずいぶん楽になります。
お茶はセルフサービス式のお接待でいただきました。
こうした気遣いが、本当にありがたく感じます。
靴を脱いで足の裏を軽くマッサージ。
見ると、足の裏は真っ赤に腫れ、熱を持っていました。

時刻は18時を過ぎ、あたりはすっかり真っ暗に
足の痛みもあり、明らかにペースは落ちています。
本来であれば、暗い道を歩くべきではありません。
それでも、今は進むしかない状況です。
自然と焦りが生まれ、歩調も速くなってしまいます。
その分、足への負担も大きくなる。
焦るな――。
自分に言い聞かせながら、一歩ずつ確実に歩みを進めました。
19時、鴨島温泉に到着。

なんとか無事にたどり着き、ようやく安堵しました。
写真は翌朝撮ったものです。
昨日は風呂に入れなかったこともあり、一日ぶりの入浴。
湯に浸かった瞬間、全身の疲れが一気に溶けていきます。
宿は6畳程の小屋で、すでに数名の先客がいました。
70代くらいの男性は、毎年この時期に歩き遍路をしている常連の方で、多いときは1日50kmも歩くそうです。
「明日は焼山寺を越えて大日寺まで行く」と語る姿に、その凄さを感じました。
そしてもう一人は、20代の大柄な青年。
身長は190cmほど、体重も120kgほどはありそうで、その存在感に思わず目を引かれます。
背負っているリュックも、おそらく20kgはあるであろう大きさ。
装備の重厚さからも、明日に向けた本気度が伝わってきました。
宿にいる誰もが、明日の焼山寺に備えて準備万端といった様子です。
歩き遍路には、本当にいろんな人がいます。
それぞれのスタイルで、それぞれの目的で歩いている。
それもまた、お遍路の魅力のひとつだと感じました。
まとめ|歩き遍路2日目を乗り切るコツ
歩き遍路2日目は、距離・疲労・足の痛みが一気に出てくる最初の試練です。
・30km前後はかなりハード
・足のケアが重要
・日没前の到着を意識する
しかしその分、
・お接待の温かさ
・静かな朝の寺院
・歩くことでしか見えない景色
こうした魅力を強く感じられる一日でもあります。
無理せず、自分のペースで進むことが何より大切です。
よくある質問FAQ
- Q歩き遍路で道に迷わないか心配です。
- A
遍路道には、道しるべのシールが随所に貼られており、進む方向を分かりやすく示してくれます。
基本的には矢印に沿って歩けば迷うことはほとんどありません。ただし、しばらく道しるべを見かけない場合は、ルートを外れている可能性があります。
その際は無理に進まず、一度立ち止まって確認するようにしましょう。また、お遍路さんだと分かる服装をしていることも大切です。
万が一、道を間違えてしまっても、地元の方が気づいて声をかけてくれることがあります。
- Q足の痛みを防ぐ方法はありますか?
- A
完全に痛みをゼロにするのは難しいですが、以下の対策で負担を軽減できます。
・自分の足に合ったトレッキングシューズを選ぶ
・土踏まずをサポートする靴下を使う
・クッション性の高いインソールを入れる
・靴紐をしっかり結ぶ
・かかとから着地する安定した歩き方を意識する
・こまめな休憩をとる足を引きずったり、音を立てる歩き方は負担が大きくなります。
それでも痛みが強い場合は、無理をせず休むことが大切です。
- Qなぜ歩き遍路では足が痛くなるのですか?
- A
主な原因は、重い荷物を背負って長時間歩くことと、硬いアスファルトの上を歩き続けることです。
対策としては、できるだけ荷物を軽くすることが重要です。
また、可能であれば土の道や側溝のフタの上など、衝撃の少ない場所を選んで歩くことで、足への負担を軽減できます。
- Q夜は歩かない方がいいですか?
- A
はい。夜間歩行は非常に危険です
・車から見えにくい
・道しるべが見えない
・転倒リスクもしものために、反射板は携帯しましょう。

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