禁止事項

お遍路でやってはいけないこと|アイキャッチ

「お遍路には、やってはいけないことってあるの?」
「観光と同じように歩いても大丈夫?」
「服装や持ち物にも、決まりがあるの?」

こんにちは。このブログを運営している「たか」です。
私は四国遍路を歩き、順打ち・逆打ちを合わせて二周しました。
歩き方はどちらも区切り打ちで、春・夏・秋・冬と全ての季節を経験しました。

お遍路には、守るべき作法や「やってはいけないルール」が存在します。
本記事では、初心者が知っておくべき禁止事項と、その理由をわかりやすく解説します。


代表的なしきたり・大切な作法

① 橋の上ではお杖をつかない

橋の上では、金剛杖を突かないというしきたりがあります。

その理由は、弘法大師・空海が修行中に橋の下で休まれたという言い伝えがあり、今でも橋の下で休まれているとされているためです。そのため、そのお休みを妨げないようにする意味があります。

橋の上では杖を突かず、敬意を持って通ることが大切とされています。

弘法大師が野宿した「十夜ヶ橋」の伝承

今から約1200年以上前、弘法大師・空海が四国を修行していた際、現在の大洲地方を訪れました。

当時この地域はまだ開けておらず、村も少なく、宿もほとんどない環境でした。農繁期ということもあり、泊まる場所が見つからず、弘法大師は空腹のまま、川にかかる土橋の下で一夜を過ごしたと伝えられています。

その夜は非常に寒く長く感じられ、「一夜が十夜にも思えるほど」であったとされています。
この出来事から、この場所は「十夜ヶ橋(とよがはし)」と呼ばれるようになりました。

十夜ヶ橋は、第43番札所・明石寺と、第44番札所・大寶寺の間の道中に位置しており、多くのお遍路さんが立ち寄る場所として知られています。

また、この場所は四国別格二十霊場の第8番札所にも定められており、巡礼の重要な霊場のひとつとされています。

四国別格二十霊場の第8番札所「十夜ヶ橋」

② 宿に着いたらまず金剛杖を洗う

金剛杖は、弘法大師の化身とされる大切な巡礼道具です。

宿に到着したら、まず最初に行うべきことは、金剛杖の汚れを落とし清めることです。

多くの宿では、入り口に水の入った桶や濡れタオルが用意されています。そこで一日の巡礼で汚れた杖先を丁寧に拭き取りましょう。

これは単なる清掃ではなく、無事に一日を歩けたことへの感謝を込めた所作でもあります。清めた後は、所定の杖置き場に静かに納めます。


③ 不浄の場所に巡礼道具を持ち込まない

トイレなどの不浄とされる場所には、以下のものを持ち込まないのが基本です。

  • 金剛杖
  • さんや袋(巡礼袋)
  • 数珠
  • 輪袈裟

これらはすべて「仏の道具」とされ、清浄を保つ意識が大切にされています。

お遍路で意識される「十善戒」

お遍路では、仏教の基本的な戒めとして
四国八十八箇所の巡礼においても大切にされる「十善戒」があります。

① 不殺生(ふせっしょう)
生きている全ての命を大切にし、むやみに生き物を傷つけない。

② 不偸盗(ふちゅうとう)
他人の物を決して盗まない。

③ 不邪淫(ふじゃいん)
一人の相手を大切にし、不倫や浮気をしない。

④ 不妄語(ふもうご)
人に嘘をつかず、真実を話す。

⑤ 不綺語(ふきご)
大げさな表現や、無意味なおしゃべりを慎む。

⑥ 不悪口(ふあっく)
人の悪口を言わず、乱暴な言葉を使わない。

⑦ 不両舌(ふりょうぜつ)
二枚舌を使わない。

⑧ 不慳貪(ふけんどん)
むやみに欲張らず、執着しない心を持つ。

⑨ 不瞋恚(ふしんに)
怒りに支配されず、心を穏やかに保つ。

⑩ 不邪見(ふじゃけん)
物事を歪めて見ず、正しい見方(真理)を持つ。

その他の作法・やってはいけないこと

杖に刃物を入れない

長く歩いていると、金剛杖の先がささくれてくることがあります。
しかし、杖は弘法大師の化身とされる大切な存在です。そのため、刃物で削る・加工する行為は厳禁とされています。

戻り鐘

参拝後に鐘を突く行為は「戻り鐘」と呼ばれ、避けるべき作法とされています。

その理由として、参拝後に鐘を打つことで、参拝によって得られたご利益が落ちてしまうと考えられているためです。

正しい作法としては、お寺の鐘は、参拝の前に突くのが基本です。
これは、心を整えてから本堂へ向かうための大切な作法とされています。

ただし、鐘の使用については、近隣住民への配慮や騒音防止の観点から、時間帯が制限されているお寺もあります。
現地の案内表示や指示に従うことが大切です。


特権意識を持たない

お遍路は修行の道であり、特別扱いを受けるためのものではありません。
謙虚な気持ちで歩くことが大切です。


地元の方に迷惑をかけない

大きな音を出したり、騒いだりする行為は避けましょう。
地域の方への配慮も、お遍路の大切な心構えです。


ゴミは出さない

巡礼中に出たゴミは必ず持ち帰りましょう。
自然や札所の環境を守る意識が求められます。


野宿で火を起こさない

山中や野宿時に火を使う行為は危険です。
火災のリスクがあるため、避けるようにしましょう。

よくあるFAQ

Q
お遍路で白装束は着ないといけませんか?
A

いいえ、必ず着る必要はありません。

四国八十八箇所のお遍路では、白装束は任意であり、私服でも巡礼は可能です。

ただし、白装束を着ることで「お遍路さんであること」が周囲に伝わりやすく、地元の方へ心配を与えないというメリットがあります。

Q
お寺の敷地内で食事をしてもいいですか?
A

はい、問題ありません。
ただし、四国八十八箇所の札所は参拝の場でもあるため、周囲の方への配慮を忘れず、静かに食事をとることが大切です。

また、ゴミは必ず持ち帰り、境内を汚さないようにしましょう。

Q
お遍路でサングラスはしてもいいですか?
A

はい、問題ありません。
夏の強い日差しや海岸線では紫外線が厳しいため、サングラスの着用はむしろ推奨されます。

ただし参拝時は、敬意を示す意味でも外すのがマナーです。

Q
お遍路中に山の中でハンモックを使ってもいいですか?
A

はい、問題ありません。

山中での休憩や宿泊手段としてハンモックを使用すること自体は可能です。

まとめ:お遍路でやってはいけないこと

お遍路には、守るべき作法や「やってはいけないこと」がいくつか存在します。

しかし、それらは単なるルールではなく、

  • 弘法大師への敬意
  • 周囲への配慮
  • 自分の心を整えるための行動

という意味があります。

初めてのお遍路でも、基本的なマナーを知っておくだけで、より安心して巡礼を続けることができます。

安全で気持ちの良いお遍路のために、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。

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tak

こんにちは。「たか」です。
当サイトを運営しています。

私はこれまで、四国八十八ヶ所お遍路を歩きで順打ち・逆打ちあわせて2周しています。
いずれも区切り打ちで、春・夏・秋・冬と、すべての季節を実際に歩いて経験しました。

このサイトでは、これから歩き遍路に挑戦したい方に向けて、ルート・装備・体力面・注意点などを、実体験ベースで分かりやすく解説しています。

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