こんにちは。たかです。
今回は、歩き遍路 4日目の体験談を紹介します。
この記事で分かること
・歩き遍路4日目(徳島13番〜17番)のルートと距離・所要時間
・各札所(大日寺〜井戸寺)の見どころと特徴
・実際に歩いた体験談(足の状態・雨・お接待など)
・井戸寺以降(18番まで)のルート選びと注意点
・八万温泉での野宿のリアルな感想(メリット・デメリット)
これから歩き遍路を計画している方や、4日目の行程に不安がある方に向けて、実体験ベースで分かりやすく解説しています。
歩き遍路4日目のルートと行程表【徳島13〜17番】
ルート
行程表
| 地点 | 名称(Googleマップ) | 前地点からの距離 km | 歩き時間 hr |
| A | 野宿 阿弥陀堂 | ||
| B | 13番 大日寺(MAP) | 10.6 | 3.7 |
| C | 14番 常楽寺(MAP) | 2.3 | 0.7 |
| D | 15番 国分寺(MAP) | 0.8 | 0.3 |
| E | 16番 観音寺(MAP) | 1.8 | 0.5 |
| F | 17番 井戸寺(MAP) | 2.8 | 0.8 |
| G | 野宿 八万温泉 | 6.0 | 2.0 |
合計:約24km(札所間が近く、比較的歩きやすい1日)
4日目のプラン:13~17番と宿泊予定地
4月28日。天気は曇り、今日は雨が降るかもしれない。
空はどんよりとしていて、今にも降り出しそうな気配がある。
もちろん、雨具の準備は万全。
いつ雨が降っても対応できるようにしている。
昨日は一日中、山道を歩いた疲れもあって、ぐっすりと眠ることができた。
ただ、足の調子はまだ万全とはいえない。無理は禁物だ。
朝食は、昨日買っておいた最後のおにぎり。
出発前、お堂に向かって手を合わせる。
一晩泊めていただいたことへの感謝を、心の中で静かに伝えた。
そして、6時。
新しい一日の歩き遍路が始まる。
この日の行程と宿の計画
今日のルートはシンプルだ。
まずは鮎食川に沿って東へ、およそ10km歩き、第13番札所・大日寺を目指す。
昨日のうちに距離を稼いでおいたおかげで、今日は気持ちに余裕がある。
こういう“貯金”が、後になって効いてくるのが歩き遍路の面白いところだ。
大日寺までたどり着けば、市街地に入る。
食事や宿の心配をしなくていいのは、精神的にもかなり楽になる。
さらに、このエリアは札所同士の距離が近い。
13番から17番までは比較的コンパクトにまとまっているため、うまくいけば一日で打つことができる見込みだ。
ただし、その先が問題だ。
第17番・井戸寺から第18番・恩山寺までは約17kmと、一気に距離が伸びる。
歩きだと5時間ほどかかる見込みだ。
無理に進むよりも、恩山寺にできるだけ近い場所で一泊するのが現実的だろう。
そこで、これまで道中で入手した宿泊スポットのリストと地図を広げて検討する。
ルートや距離感、翌日の行程を踏まえて考えた結果——
今夜の宿は、地蔵越えの先にある「八万温泉」に決めた。
八万温泉とは?実際に野宿した感想
今回宿泊地として選んだ「八万温泉」は、徳島市の眉山(びざん)山麓にある日帰り温泉施設だ。
自然に囲まれた里山の中にあり、いわゆる旅館というよりは、地元の人も利用する“スーパー銭湯”に近い存在。
八万温泉の利用料金は600円。
歩き遍路にとっては、かなりありがたい価格設定だ。
さらに、お遍路さんであれば、敷地内にある用具置き場のようなスペースで野宿させてもらえる。
屋根があるため、雨風をしのげるのは大きなメリットだ。
この日は、施設の方のご厚意で畳とブルーシートを1枚貸していただいた。
テントの下に敷くだけで寝心地が格段に良くなり、疲れた体には本当に助かる。
施設内には食事スペースや休憩広場もあり、
お風呂でさっぱりしたあと、すぐに寝るのではなく、しばらくゆっくり過ごせるのも魅力だ。
一方で、注意点もある。
野宿スペースでの機械音が思った以上に大きく、
閉店時間の24時近くまで、継続的に音が響いていた。
そのため、この日は耳栓を使用して就寝。
音に敏感な人にとっては、やや厳しい環境かもしれない。

13番大日寺までのルートと所要時間
6時。大日寺へ向けて歩き出した。
道は鮎食川に沿って続いていく。
早朝の谷間の道は人影もなく、静寂に包まれている。
その静けさの中で、杖をつく音だけが「カーン、カーン」と響く。
単調なはずの音が、不思議と心地よく感じられた。
谷あいの道は緩やかな勾配で、足への負担も少ない。
昨日の山道とは対照的で、体が楽に前へ進んでいく感覚がある。
さらに、昨日のうちに買い溜めていた食料もすべて消費し、
荷物が軽くなったことも大きい。
肩にかかる負担が減り、
一歩一歩が少しだけ軽やかになった気がした。
道中、ひとつ印象的な橋を渡る。
それが「沈下橋(ちんかばし)」だ。
沈下橋とは?

沈下橋とは、川の増水時に水の中に沈むことを前提に作られた橋のこと。
欄干(手すり)がなく、できるだけ水の抵抗を受けないシンプルな構造になっているのが特徴だ。
大雨などで川の水位が上がると、橋ごと水の中に沈むことで流されにくくなっている。
主に四国地方、特に高知県の四万十川流域などで多く見られるが、徳島でも各地に点在している。
2時間ほど歩き、休憩所「おやすみなし亭」で小休憩をとる。
まずはリュックを下ろし、ひと息つく。
背中から荷物が離れるだけで、体が一気に軽くなる。
しばらく休んでいると、地元のおばさんが2人、掃除にやってきた。
「お遍路さん、ご苦労様です。」
やさしく声をかけてくれる。
こうした何気ない一言が、歩き遍路では本当にありがたい。
さらに、こんなことも教えてくれた。
「裏にね、珍しいピンクの藤棚があるの。見ていってください。」
さっそく足を運んでみたものの、
残念ながら訪れた時期が少し遅く、すでに花は散ってしまっていた。
それでも、満開の時期であれば、
きっと見応えのある景色が広がるのだろうと想像できる。
タイミングが合えば、ぜひ立ち寄りたいスポットのひとつだ。
そして、この休憩所自体も非常にありがたい存在だ。
作りはしっかりしていて、扉もあり、風雨をしのぐことができる。
野宿スポットとして見ても、かなりレベルが高い。
歩き遍路にとっては、覚えておいて損はない休憩所だ。
9時50分 13番大日寺に到着
納経所には団体客が列をなしていた。
このタイミングで小雨が降り始める。
参拝を済ませ、リュックにレインカバーを装着し、次の寺へ向かう。

大日寺の歴史
大日寺は徳島市西部、鮎喰川近くに位置し、弘法大師の開基と伝えられる。大師がこの地で護摩修法を行っていた際、大日如来が現れ「霊地に寺を建てよ」と告げたことから、大日如来像を刻み堂宇を建立したのが始まりとされる。
見どころ
- ぼけ封じ観音
- 奥の院・建治寺
- しあわせ観音(巨木のそばに立つ小さな観音像)
神仏習合の歴史を色濃く残す、落ち着いた雰囲気の寺院である。
14番 常楽寺までのルートと歴史
大日寺から常楽寺までは約2.3kmで、徒歩でおよそ40分ほどの道のりです。
常楽寺は大日寺の北東に位置しており、道中では鮎食川に架かる一本の橋を渡ります。
常楽寺の境内は「流水岩の庭」と呼ばれ、剥き出しの岩盤が広がる珍しい構造になっています。他の札所とはまったく異なる景観が特徴です。

常楽寺の歴史
常楽寺は、四国霊場で唯一、弥勒菩薩を本尊とする寺院である。弥勒菩薩は未来仏とされ、遥か未来に衆生を救う存在といわれる。弘法大師が42歳の頃、この地で修行中に弥勒菩薩の来迎を感得し、その姿を霊木に刻んで本尊とし、寺を建立したと伝えられる。
見どころ
- 常楽園(流水岩の庭)
- アララギ大師
- 地蔵菩薩像(本堂前:子どもの夜泣き・歯痛・足の痛みなどにご利益)
自然美と信仰が融合した、独特の景観を持つ札所である。
15番 国分寺までのルートと歴史
国分寺は常楽寺から約0.8kmの距離にあり、徒歩で15分ほどです。北へ進むだけのシンプルな行程となっています。

国分寺とは:全国にある理由と四国遍路との関係
国分寺とは、奈良時代に全国各地に建立された官寺(国家によって設置された寺院)のことです。
その起源は、741年に出された聖武天皇の詔(みことのり)にさかのぼります。
当時、日本では疫病や飢饉、社会不安が続いており、国家の安定と人々の平和を祈る必要がありました。そこで聖武天皇は、仏教の力によって国を守る「鎮護国家」の思想のもと、全国の各国に寺院を建立するよう命じます。
これにより、各地に「国分寺」が整備され、仏教を通じて国家統治と地方支配の安定が図られました。国分寺は単なる宗教施設ではなく、当時の政治・文化・教育の中心的な役割も担い、地方における仏教文化の拠点として機能していました。
また、四国遍路には四国それぞれの旧国に対応する「国分寺」が札所として含まれているという特徴があります。
- 徳島県(阿波国):第15番 国分寺
- 高知県(土佐国):第29番 国分寺
- 愛媛県(伊予国):第59番 国分寺
- 香川県(讃岐国):第80番 国分寺
このように、四国遍路では四つの国それぞれに国分寺が存在しており、奈良時代の国家仏教の制度が、現在の巡礼文化の中にも形を変えて受け継がれていることが分かります。
國分寺の歴史
國分寺は、聖武天皇の勅命により天平13年(741年)に創建された全国の国分寺の一つで、四国霊場では最初の国分寺にあたる。
見どころ
- 庭園
- 本堂
古代国家事業として建立された歴史と、幾度もの再興を経た重厚な歴史を感じられる寺院である。
16番 観音寺を目指す:道中、突然受けたお接待
国分寺から観音寺までは約1.8km。観音寺は北側に位置しており、国道192号線を通れば迷うことなく進めるルートだ。

久しぶりに見る、大きく交通量の多い道路。
突然受けたお接待:初めて受けた体験とマナー
観音寺を目指して歩いていると、突然、自転車に乗った高齢の男性が足を止めた。
「ごくろうさまです」――そう言って、饅頭と200円を差し出された。
私は驚きながらも、「ありがとうございます」と受け取った。
これまでにも善根宿やイベントなど、いわば“用意されたお接待”は経験してきた。
だが、こうして道中で偶然受けるお接待は、これが初めてだった。
「本当にあるんだ」
そう思わずにはいられない、不思議でどこか神秘的な体験だった。

観音寺の歴史

観音寺は、弘法大師が創建し、自ら千手観音像を刻んで本尊としたと伝えられる寺院である。脇侍として不動明王や毘沙門天も彫造された。
また、大正時代には盲目の参拝者が本尊のご利益で視力を回復したという逸話も残る。
見どころ
- 夜泣き地蔵
- 絵馬
- 天狗久(人形浄瑠璃の人形師)
歴史と信仰の逸話が残る、地域文化とも関わりの深い寺院である。
17番井戸寺へ向かう道中:昼食と本格的に降り始めた雨
時刻は12時30分。本日の歩行距離は約15km、ちょうど中間地点に差しかかった。
空腹も感じてきたため、観音寺近くの麺処で昼食をとることにする。
この3日間、食事はほとんどコンビニで済ませてきた。こうして温かい食事をとるのは久しぶりだ。
四国といえば、やはりうどん。釜玉うどんを注文する。
一口すすると、その違いがはっきりと分かる。本州で食べるうどんとはどこか違う、素朴で力強い味わいだった。

初めての雨:歩き遍路での対処と気づき
昼食を終え、再び歩き始める。
足の痛みは残っているが、できるだけ衝撃を減らすよう、踵から着地したり、側溝の上を選んで歩くように意識する。
そんな中、ついに雨が本格的に降り出した。歩き遍路を始めてから初めての雨だ。
急いで雨具を身に着ける。菅笠はビニールカバー付きのものを用意していたため、頭はしっかりと守られている。
時折見かける歩き遍路の人たちも、それぞれ色とりどりの雨具に身を包んでいた。
灰色の空の下、そのカラフルな姿がどこか印象的に映る。
井戸寺の歴史

弘仁6年(815年)、弘法大師が訪れ、十一面観音像を彫造。また、水不足に苦しむ村人のために井戸を掘り清水を湧かせたことから、地名は「井戸村」、寺名も「井戸寺」と改められた。
見どころ
- 面影の井戸
- 日限大師
- 仁王門(蜂須賀重喜により移築寄進)
井戸の伝説と薬師信仰が特徴的な、歴史深い寺院である。
井戸寺では通夜堂を利用することができる。
お遍路さんであれば無料で宿泊可能だ。
評判も非常に良く、毛布も用意されているため、冬場の利用にも適している。
歩き遍路にとっては、有力な宿泊選択肢のひとつといえるだろう。
井戸寺で本日の参拝は終了:14時30分 宿泊先を目指す
次の18番恩山寺までは約17kmの距離がある。
この区間のルートは大きく2つに分かれる。
ひとつは「地蔵越えルート」。本来の遍路道で、標高約150mの山道を越えるルートだ。古来の雰囲気を感じながら歩くことができ、市街地ルートよりも約1kmほど短い。
もうひとつは、徳島市街地を通るルート。平坦で歩きやすく、宿泊施設や飲食店も多いため、拠点として利用しやすい。
私は予定通り、地蔵越えの先にある八万温泉を目指すことにした。
16時、地蔵越え地点に到着。
強まる雨と足の痛みで、明らかに歩くペースが落ちてきた。
靴は防水仕様のため、多少の雨なら問題ない。だが、雨は弱まる気配がまったくない。
それでも、一歩ずつ今日の拠点を目指して進んでいく。

17時過ぎ 八万温泉に到着
17時過ぎ、八万温泉に到着した。
ずぶ濡れの雨具を屋外にたたんで置き、施設の方に宿泊の許可をいただく。
そのまま温泉へ向かう。雨で冷え切った体が一気に温まり、少しずつ回復していくのが分かる。
足の裏の痛みも強く、湯につかりながら丁寧にマッサージする。風呂桶に水をため、足を浸して冷やすことも試してみた。
風呂上がりは休憩スペースでしばらく体を休める。昨日は一日中、山の中にいたせいか、電気のついた室内でゆっくりくつろげることに、どこか不思議な感覚を覚える。
食堂でカレーライスを食べ、テントへ戻る。
外では雨がさらに激しさを増し、叩きつけるように降り続いていた。
明日までにやんでくれればいいんだが――そう思いながら、明日の行程を考える。
次に待っているのは、標高500m級の難所として知られる鶴林寺と太龍寺だ。
まとめ|歩き遍路4日目のポイント
4日目の難易度評価
体力:★★☆☆☆
距離:★★★☆☆
危険度:★☆☆☆☆
総合:初心者でも比較的歩きやすい区間
・13番〜17番は距離が短く、比較的楽に巡れる区間
・市街地に入るため、食事や補給に困らない
・井戸寺〜18番は距離が長いため宿の計画が重要
・八万温泉は野宿可能でコスパが非常に高い(ただし騒音注意)
4日目は「体力回復+距離調整」の日として非常に重要です。
無理に進まず、翌日の難所(鶴林寺・太龍寺)に備える意識が大切になります。
よくあるFAQ
- Q雨の対策を教えて下さい。
- A
上から被れるポンチョ式のレインコートとレインパンツの併用がおすすめです。雨が降ったりやんだりする天候でも、着脱しやすく対応しやすくなります。
リュックには必ず防水カバーを装着し、中身が濡れないようにしましょう。納経帳はジップロックなどのビニール袋に入れておくと安心です。
また、菅笠はビニールカバー付きのものがおすすめで、頭部の雨対策として有効です。
雨が激しい場合は無理に進まず、しのげる場所で待つ判断も大切です。
- Qお接待をもらいました。どうすればいいでしょうか。
- A
お接待は、基本的にお遍路さんへの善意として行われるものです。無理に断る必要はなく、感謝の気持ちを込めて「ありがとうございます」とお礼を伝えましょう。
そのうえで、その方の分まで祈りながら巡礼を続けるのが一般的とされています。

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