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御朱印

四国遍路の御朱印とは?

四国遍路の御朱印とは、四国八十八ヶ所の札所を参拝した証として納経所でいただく墨書きと朱印のことです。一般的な神社やお寺の御朱印と同様に、参拝後にいただくものですが、四国遍路では「納経(のうきょう)」という意味合いが強く、御朱印をいただくことを「納経する」と表現することもあります。

私は歩き遍路で四国八十八ヶ所すべてを巡り、全88ヶ所で御朱印をいただきました。一つひとつの御朱印には寺院名やご本尊が墨書きされ、巡礼を続けるたびに納経帳が少しずつ埋まっていく様子は、歩いた道のりを形として残してくれる大切な記録になりました。

初めて四国遍路に挑戦する方は、「御朱印帳と納経帳は何が違うの?」「参拝すれば必ずもらえるの?」と疑問に思うかもしれません。

この記事では、四国遍路ならではの御朱印の意味や、いただき方、料金などについて詳しく解説します。

御朱印とは参拝した証としていただくもの

御朱印は、お寺や神社を参拝した証として授与されるものです。四国遍路では、本堂と大師堂を参拝した後に納経所で納経帳や御朱印帳を渡し、納経料を納めることで墨書きと朱印をいただけます。

御朱印には寺院名やご本尊名などが力強い筆文字で書かれ、寺院ごとに異なる朱印が押されます。同じ四国八十八ヶ所でも、それぞれ個性があり、巡礼を終えた納経帳は世界に一冊だけの記録になります。

45番札所岩屋寺の御朱印
45番札所岩屋寺のお堂

御朱印は観光スタンプとは違う

御朱印は、観光地に設置されている記念スタンプとは性質が異なります。参拝を終えた証として授与されるものであり、単なる記念品やコレクションではありません。

そのため、四国遍路では本堂と大師堂を参拝してから納経所へ向かうのが基本的な作法です。御朱印をいただく際には、寺院や納経所の方への感謝の気持ちを忘れず、静かに順番を待つようにしましょう。

四国遍路では御朱印帳と納経帳どちらを使う?

四国遍路で御朱印をいただく場合、「御朱印帳と納経帳のどちらを用意すればいいの?」と迷う方は少なくありません。

結論から言うと、四国遍路では納経帳を使用するのが一般的です。もちろん御朱印帳でも御朱印をいただけますが、88ヶ所すべてを巡礼する予定なら、納経帳を選ぶ方が多くのメリットがあります。

ここでは、それぞれの違いや選び方を解説します。

お遍路では納経帳を使う人が多い理由

四国遍路では、巡礼専用に作られた「納経帳」を持参する人が多く見られます。

納経帳は四国八十八ヶ所の巡礼を前提に作られており、1番札所から88番札所までの御朱印を順番にいただけるようページ数やレイアウトが工夫されています。また、表紙や装丁も巡礼向けのデザインが多く、結願後は歩いた証として大切に保管している方も少なくありません。

様々なデザインの納経帳

御朱印帳でも四国八十八ヶ所を巡れる?

御朱印帳でも四国八十八ヶ所の御朱印をいただくことは可能です。

普段から神社やお寺の御朱印を集めている方の中には、同じ御朱印帳を使って四国遍路を巡る方もいます。寺院によって「納経帳でなければ受け付けてもらえない」ということは基本的にありません。

ただし、一般的な御朱印帳はページ数が少ないものも多く、四国八十八ヶ所すべての御朱印を収めるには複数冊必要になる場合があります。また、巡礼の順番どおりに記録しにくいこともあるため、88ヶ所を結願する予定なら納経帳の方が使いやすいでしょう。

納経帳の種類や選び方について詳しく知りたい方は、別記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

納経帳とは
納経帳とは、四国八十八ヶ所霊場の納経を記録する大切な帳面です。歩き遍路で結願した経験をもとに、納経帳の意味、御朱印帳との違い、サイズや選び方、購入場所、使い方、保管方法まで詳しく解説します。

四国八十八ヶ所で御朱印をもらう方法

四国八十八ヶ所では、参拝を終えた後に納経所で御朱印をいただきます。初めてお遍路をする方でも、基本的な流れを知っておけば迷うことはほとんどありません。

御朱印をいただくまでの流れ

四国遍路で御朱印をいただく一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 山門をくぐり境内へ入る
  2. 手水舎があれば手と口を清める
  3. 本堂で参拝する
  4. 大師堂で参拝する
  5. 納経所へ向かう
  6. 納経帳を渡して納経料を納める
  7. 墨書きと朱印をいただく

四国遍路では、本堂と大師堂を参拝してから納経所へ向かうのが基本的な作法です。

混雑していなければ数分でいただけることが多いですが、春や秋の巡礼シーズンや連休中は待ち時間が発生することもあります。

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納経所で納経帳を渡すタイミング

本堂と大師堂の参拝を終えたら、納経所で納経帳または御朱印帳を渡します。

受付では納経帳を開いて渡し、納経料を納めます。寺院の方が墨書きと朱印を記してくださるので、その場で静かに待ちましょう。混雑している場合は、先に納経帳を預けて、参拝を済ませてから受け取ることも可能です。

私が歩き遍路で巡った際も、多くの札所では5分ほどで受け取れましたが、巡礼者や団体参拝が多い日は待ち時間が長くなることもありました。

納経所の受付時間

四国八十八ヶ所の納経所は、基本的に8:00〜17:00まで受付しています。

ただし、一部の札所では受付時間が異なり、12番札所 焼山寺は16:30までとなっています。

特に山間部の札所を訪れる日は時間に余裕を持った行程を立てることをおすすめします。

四国遍路の御朱印料金はいくら?

四国八十八ヶ所で御朱印をいただくには、各札所の納経所で納経料を納めます。料金は四国霊場会によって定められており、基本的にはどの札所でも共通です。

ここでは、納経料の目安や、88ヶ所すべての御朱印を集める場合にかかる費用を紹介します。

納経料は1ヶ寺500円

記事公開時点では、納経帳や御朱印帳へ御朱印をいただく場合の納経料は1ヶ寺500円です。

なお、納経料は変更される場合があるため、最新の情報は各寺院や四国霊場会で確認してください。

88ヶ所すべて集める場合の費用

四国八十八ヶ所すべてで御朱印をいただく場合、納経料の合計は次のようになります。

  • 500円 × 88ヶ寺 = 44,000円

納経帳・掛け軸・白衣でも料金は違う

御朱印は納経帳だけでなく、掛け軸や白衣(判衣)にもいただくことができます。ただし、納経料は納経を頂く品物によって異なります。

記事公開時点の主な納経料は以下のとおりです。

納経納経料
納経帳・御朱印帳500円
重ね印300円
白衣(判衣)300円
掛け軸700円

掛け軸は結願後に表装して床の間などに飾る方も多く、巡礼の記念品として人気があります。一方、納経帳は持ち運びやすく、初めて四国遍路に挑戦する方にも選ばれている定番の納経用品です。

どれを選んでも御朱印をいただくことはできますが、多くの遍路さんは記録として残しやすい納経帳を使用しています。

重ね印とは?

四国遍路では、同じ納経帳を持って再び巡礼する方も多くいます。その際にいただくのが「重ね印」です。

一度墨書きをいただいた納経帳では、新たに墨書きを書き加えるのではなく、前回の御朱印の上から朱印のみを重ねて押していただくのが一般的です。このため、重ね印の納経料は300円となっています。

34番種間寺の重ね印

四国遍路を何度も巡っている先達さんの納経帳を見ると、同じページに何度も朱印が重ねられ、朱肉で真っ赤になっていることもあります。

先達さんの真っ赤になった御朱印帳:お遍路サロンにて

四国八十八ヶ所には期間限定の「記念印」が授与されることもある

四国八十八ヶ所では、通常の御朱印(納経印)とは別に、特別な節目を記念した「記念印」が授与されることがあります。

記念印は、開創記念や特別な行事にあわせて期間限定で押していただける朱印です。通常の御朱印に重ねて押されることが多く、その年に巡礼した人だけがいただける貴重な記念となります。

私がいただいた開創1200年記念印

私が歩き遍路で四国八十八ヶ所を巡ったのは、2015年の開創1200年の記念の年でした。

この年は、各札所で通常の御朱印とあわせて開創1200年の記念印を押していただくことができました。

また、札所や宿の方からは「今年はお遍路さんが本当に多いですよ」という話を何度も伺いました。実際に遍路道でも多くの巡礼者と出会い、休憩所や宿では自然と会話が生まれる機会が多かったことを覚えています。

45番岩屋寺の開創1200年特別スタンプ

歩き遍路で御朱印をもらう時の注意点

車遍路やバス遍路と違い、歩き遍路では思いどおりの時間に札所へ到着できるとは限りません。天候や山道の状況、体力によって歩くペースが変わるため、御朱印をいただくには時間に余裕を持った行程を立てることが大切です。

初めて歩き遍路に挑戦する方に知っておいてほしいポイントを紹介します。

納経所の時間は必ず確認する

四国八十八ヶ所の納経所には受付時間があり、その時間を過ぎると御朱印をいただくことはできません。

歩き遍路では、急な上り坂や悪天候で予定以上に時間がかかることがあります。

特に午後遅くに山間部の札所へ向かう場合は、納経所の受付時間を事前に確認し、余裕を持って到着できるよう計画しましょう。

墨が乾くまでページを閉じないようにする

御朱印の墨書きや朱印は、いただいた直後は完全に乾いていないことがあります。そのまま納経帳を閉じてしまうと、隣のページに墨や朱印が写ってしまうことがあるため注意が必要です。

多くの札所の納経所にはドライヤーが用意されており、墨を乾かすことが可能です。

また、納経帳に新聞紙や半紙などを1枚挟んでおくと、万が一墨が乾ききっていなくても写りを防ぎやすくなります。

納経帳と間に挟まれた朱印が写った紙

納経帳は雨対策をする

歩き遍路では突然の雨に降られることも多いため、納経帳は防水対策をして持ち歩くことをおすすめします。

私は納経帳を防水性のある袋に入れ、ザックの中でも濡れにくい場所へ収納していました。雨の日だけでなく、汗をかいた衣類や濡れたレインウェアと一緒に入れないよう注意することも大切です。

ジップ付きのビニル袋に入れた納経帳

歩き遍路で88ヶ所の御朱印を集めた感想

私は歩き遍路で四国八十八ヶ所を巡り、すべての札所で御朱印をいただきました。

結願して納経帳を開くと、一つひとつの御朱印が当時の景色や出来事を鮮明に思い出させてくれます。

ここでは、実際に88ヶ所すべての御朱印を集めて感じたことを紹介します。

目の前の墨書きに見とれてしまう

御朱印をいただくたびに楽しみだったのが、納経所の方が目の前で書いてくださる墨書きです。

力強く大胆に筆を走らせながらも、一文字一文字はとても丁寧で美しく、思わず見入ってしまうことが何度もありました。

同じ寺院でも書き手によって筆遣いに個性があり、墨の濃淡や文字の勢いにも違いがあります。その場でしか見られない筆さばきや墨の香りも、歩き遍路の思い出の一つです。

1冊の納経帳に残る歩いた証

結願した納経帳は、今でも大切に保管しています。

時々本棚から取り出してページをめくると、線香の香りが今でもほのかに残っていて、不思議と遍路道を歩いていた頃の記憶がよみがえります。

私にとって納経帳は、御朱印を集めた冊子ではなく、約1,200kmを歩いた証そのものになっています。

まとめ|御朱印集めだけが目的ではない四国遍路

歩き遍路道で現れた虹

四国遍路では御朱印をいただくことも楽しみの一つですが、それだけを目的にするものではないと感じています。

お寺までの長い道のりを歩き、地域の方と出会い、美しい景色を眺め、ときには厳しい山道を越える。その一つひとつの積み重ねがあってこそ、最後にいただく御朱印には特別な価値が生まれます。

だからこそ、結願した納経帳を見返すたびに思い出すのは、御朱印そのものではなく、歩いた道や出会った人たち、そして巡礼中に感じたさまざまな出来事です。

これから四国遍路に挑戦する方も、御朱印を集めることだけにとらわれず、自分のペースで巡礼を楽しんでみてください。きっと結願したときには、納経帳が世界に一冊だけの大切な宝物になっているはずです。

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