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データで見る四国遍路

四国遍路:88か所の距離と高低差をk-meansで3つのクラスに分類した結果をグラフとイラストで説明 お遍路情報

本当にきつい区間はどこか?距離と高低差データで検証

こんにちは。このブログを運営している「たか」です。
私は四国八十八カ所のお遍路を、順打ち・逆打ちあわせて二周しました。

お遍路の話をしていると、

  • 「焼山寺が一番きつい」
  • 「室戸岬の区間が長くてつらい」
  • 「山道より舗装路のほうが疲れる」

など、さまざまな意見を耳にします。

しかし、こうした評価の多くは個人の体験によるもので、客観的な基準はほとんどありません。
そこで今回は、四国八十八カ所の各札所間について、

  • 次の札所までの距離
  • 区間内の総高低差(獲得標高)

のデータを収集し、機械学習の手法であるK-meansクラスタリングを用いて分析しました。

本記事では、距離と高低差という2つの客観的な指標から、四国遍路の各区間を難易度別に分類し、
「本当に厳しい区間はどこなのか」
をデータから検証してみます。

記事の要約

  • 四国遍路88区間は「標準区間」「山岳区間」「長距離区間」の3タイプに分類された
  • 焼山寺・太龍寺・大窪寺は標準勾配が特に高い山岳難所だった
  • 室戸岬・足摺岬周辺には長距離難所が集中していた
  • 全体の約77%は標準区間で構成されていた

使用したデータと分析方法

今回の分析では、四国八十八カ所の各札所から次の札所までの区間について、以下の2つの指標を使用しました。

  • 移動距離(km)
  • 獲得標高(m)

データはGoogleマップを利用して計測し、全88区間を対象としています。

K-meansクラスタリングは、特徴の似たデータを自動的にグループ分けする機械学習の手法です。

今回は、各区間の「距離」と「獲得標高」をもとに分析を行い、特徴の近い区間同士を分類しました。


K-means分析で見えた3つの区間タイプ

四国遍路:88か所の距離と高低差をk-meansで3つのクラスに分類した結果をグラフとイラストで説明

距離と獲得標高のデータを用いてK-meansクラスタリングを行った結果、遍路の88区間は3つのグループに分類されました。

興味深いことに、単純な「楽・普通・きつい」ではなく、

  • 標準区間
  • 山岳区間
  • 長距離区間

という特徴の異なるグループに分かれました。
それぞれの特徴を以下の表に示します。

項目標準区間山岳区間長距離区間
区間数68128
平均距離6.4 km17.6 km58.6 km
距離範囲0-38 km6-28 km40-80 km
平均獲得標高61 m620 m625 m
標準勾配9.5 m/km35.2 m/km10.7 m/km

本記事では区間を3つのクラスタに分類していますが、その妥当性はエルボー法を用いて検証しました。分析の詳細についてはこちらで解説しています。

🟢 標準区間の特徴

  • 平均距離:約6.4km
  • 件数:68区間
  • 全体の約77%

距離・高低差ともに比較的小さく、多くの遍路区間がこのグループに属します。

札所間の一般的な移動区間と考えてよいでしょう。


🟡 山岳区間の特徴

  • 平均距離:約17.6km
  • 件数:12区間
  • 全体の約14%

距離は極端に長くないものの、獲得標高が大きい区間です。

歩行距離以上に体力を消耗しやすく、遍路道らしい厳しさが現れる区間といえます。

山岳区間一覧

・12番 焼山寺
・20番 鶴林寺
・27番 神峯寺
・45番 岩屋寺
・60番 横峰寺
・81番 白峯寺

・13番 大日寺
・21番 太龍寺
・40番 観自在寺
・46番 浄瑠璃寺
・66番 雲辺寺
・88番 大窪寺


🔴 長距離区間の特徴

  • 平均距離:約58.6km
  • 件数:8区間
  • 全体の約9%

距離が非常に長く、高低差も一定程度あるため、徒歩では1日での移動が難しい区間です。

遍路計画を立てる際に特に注意が必要な区間といえます。

長距離区間一覧

・24番 最御崎寺
・38番 金剛福寺
・41番 龍光寺
・65番 三角寺

・37番 岩本寺
・39番 延光寺
・44番 大寶寺
・1番 霊山寺 (お礼参り)


データで見る山岳難所TOP3

今回の分析では、距離と獲得標高をもとに区間を分類した結果、12区間が「山岳区間」に分類されました。

ここでは、区間の厳しさを表す指標として標準勾配(1kmあたりの獲得標高)に注目し、上位3区間を紹介します。

1位 焼山寺(11→12番)

標準勾配:93m/km

山岳区間の中で最も急勾配だったのが焼山寺です。

距離そのものは突出して長くありませんが、短い距離の中で大きな高低差をこなす必要があります。そのため、歩き遍路にとっては序盤最大の難所として知られています。

「遍路ころがし」の代表格という評価は、データから見ても裏付けられる結果となりました。

2位 太龍寺(20→21番)

標準勾配:75m/km

太龍寺への道も非常に急勾配な区間でした。

古くから難所として知られ、「西の高野」とも呼ばれる札所です。距離以上に登りの負担が大きく、体力を消耗しやすい区間といえるでしょう。

3位 大窪寺(87→88番)

標準勾配:53m/km

結願の寺である大窪寺も、山岳難所の上位に入りました。

遍路の最後を飾る札所ですが、決して楽な道のりではありません。終盤の疲労が蓄積した状態で急な登りをこなす必要があり、データ上でも高い負荷が確認できました。

上位区間に共通する特徴

興味深いのは、上位にランクインした寺院の多くが、昔から歩き遍路の難所として語られてきたことです。

また、4位には雲辺寺(50m/km)、5位には岩屋寺(48m/km)が続いており、いずれも遍路経験者の間で厳しい区間として知られています。

今回の分析では距離と高低差という客観的なデータのみを使用しましたが、経験者の体感とデータ分析の結果はおおむね一致していることが分かりました。

データから見えた意外な事実


「きつい区間」は全体の1割以下

今回の分析で特に興味深かったのは、厳しい区間が意外に少なかったことです。

今回の分析では、88区間のうち77%が標準区間に分類されました。

一方で、山岳区間は14%、長距離区間は9%にとどまります。

つまり、四国遍路は常に過酷な道のりが続くわけではありません。大部分は標準的な区間で構成されており、一部の長距離区間や山岳区間が全体の難易度を押し上げていることが分かります。


データが示した「2種類の難しさ」

今回の分析で興味深かったのは、厳しい区間が必ずしも同じ特徴を持っていなかったことです。

山岳区間の平均獲得標高は620m、長距離区間は625mとほぼ同じでした。しかし、平均距離は17.6kmと58.6kmで大きく異なります。

つまり、遍路の難しさには大きく分けて2つのタイプが存在すると考えられます。

1つ目は、焼山寺や太龍寺に代表される「山岳型」です。距離はそれほど長くなくても、急な登りが続くため体力を大きく消耗します。

2つ目は、室戸岬周辺や足摺岬周辺に見られる「長距離型」です。標高差は比較的小さいものの、長時間歩き続ける必要があり、脚への負担や時間的な制約が大きくなります。

一般的に「お遍路の難所」とひとくくりにされがちですが、データを見ると、その厳しさの原因は必ずしも同じではありません。山を登る苦しさと、ひたすら歩き続ける苦しさは性質が異なり、それぞれ別の対策が必要であることが分かります。


分析結果から考える効率的な巡礼計画

今回の分析では、全88区間のうち約77%が標準区間に分類されました。一方で、長距離区間は全体の約9%に過ぎません。

この結果から、徒歩での巡礼を考えている人は、長距離区間のみ公共交通機関を利用するという方法も有効だと考えられます。

長距離区間は寺院間の距離が大きく、移動時間を多く消費します。一方で、標準区間は比較的短いため、徒歩でも無理なく歩ける区間が大半です。

そのため、

  • 遍路道の雰囲気はできるだけ味わいたい
  • すべて徒歩で歩く時間は確保できない
  • 宿泊日数や費用を抑えたい

という人にとっては、長距離区間だけを公共交通機関で移動し、それ以外を徒歩で巡る方法は、効率と体験のバランスが取れた選択肢と言えるでしょう。


まとめ

今回の分析で分かったことは次のとおりです。

  • 四国遍路88区間は「標準区間」「山岳区間」「長距離区間」の3タイプに分類された
  • 約77%は標準区間だった
  • 山岳区間と長距離区間は、それぞれ異なる種類の厳しさを持っていた
  • 遍路の負荷は均一ではなく、一部の区間に集中していた
  • 長距離区間を把握することで、効率的な巡礼計画を立てやすくなる

クラスタ数の決定(エルボー法)

クラスを3つに選定するにあたって、エルボー法グラフを検証しました。
グラフが示す通り、k=3で勾配が緩くなるため、3つクラスタが適切であると判断しました。

Elbow Method Graph

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Written by
tak

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私はこれまで、四国八十八ヶ所お遍路を歩きで順打ち・逆打ちあわせて2周しています。
いずれも区切り打ちで、春・夏・秋・冬と、すべての季節を実際に歩いて経験しました。

このサイトでは、これから歩き遍路に挑戦したい方に向けて、ルート・装備・体力面・注意点などを、実体験ベースで分かりやすく解説しています。

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