PR

歩き遍路6日目

歩き遍路 6日目 歩き遍路の記録

行程表

4月30日 はれ
  • 6:00
    出発
    1. 大井休憩所
    2. 水井橋
    3. 太龍寺 登山道
  • 7:50
    21番 太龍寺
    1. 道の駅 わじき
    2. 大根峠
    3. 大根休憩所
  • 12:30
    22番 平等寺
    1. 由岐
  • 17:00
    白浜休憩所

    野宿

歩き遍路 6日目

朝の支度と出発

4月30日、晴れ。

朝5時に起きた。

昨晩は土砂降りの雨の中、鶴林寺を下った先にある川沿いの東屋で野宿をした。東屋の中だったので雨は直接当たらなかったものの、テントはすっかり濡れている。

朝になると雨は止んでいた。

ただ、空にはまだどす黒い雲が残り、山には霧が立ちこめている。服も靴も乾いていない。仕方なく、濡れた服をそのまま着る。

テントを畳み、出発の準備をする。雨を吸ったテントや衣服のせいで、バックパックがいつもより重く感じる。

朝食もほとんどない。先日、食料を買いそびれてしまったのだ。残っている行動食を少しだけ口に入れ、出発する。

大井休憩所

太龍寺への山道

今日の最初の目的地は、標高520mにある21番札所、太龍寺。

「西の高野」とも呼ばれる山寺で、歩き遍路にとっても大きな難所の一つだ。

大井休憩所を出ると、すぐに那賀川に架かる水井橋を渡る。欄干が低いので、歩くときには少し注意が必要だ。

橋を渡ると、すぐに太龍寺への登山道が始まる。

若杉谷川という小さな川に沿って、山の中へ入っていく。

約4kmの登り道を、2時間ほどかけて歩いた。

水井橋

21番 太龍寺

7時50分、太龍寺に到着。早朝の境内には、参拝客は誰もいなかった。いるのは自分一人だけ。

さっきまで山を覆っていた霧も少しずつ晴れ、木々の間から日差しが差し込んでくる。

山の中に静かに佇む太龍寺。その厳かな雰囲気の中で、ゆっくりと参拝する。

太龍寺は、弘法大師が虚空蔵求聞持法の修行をされたと伝わる寺だ。寺の近くには弘法大師の座像もある。

参拝を終えると、急に空腹を感じてきた。そういえば、もう食料がほとんどない。

地図を確認すると、太龍寺から7kmほど先に「道の駅わじき」がある。食事ができそうな場所は、まずそこしかない。

次の目的地は決まった。

21番 太龍寺
21番 太龍寺

22番札所 平等寺へ

道の駅わじきで食料を補給

太龍寺を後にして、平等寺へ向かう。

標高520mの山から、一気に下っていく。

車道に出ると、中山川沿いを東へ3kmほど歩く。しばらくすると、道の駅わじきが見えてきた。施設には歩道橋が架かっているので、歩き遍路でも見つけやすい。

ここで少し遅い朝食をとり、道中で食べるおにぎりも買った。

ようやく食料を確保できた。

大根峠を越える

道の駅わじきから平等寺までは約4km。遍路道の案内看板を頼りに、大根峠道へ入っていく。

最初は棚田の広がる、のどかな道。

そこから徐々に林道へと変わっていく。

大根峠は標高約300m。太龍寺から平等寺へ向かう歩き遍路にとって、便利な峠道だ。道もよく整備されていて、歩きやすい。

峠を越えると、少しずつ人里が見えてきた。

途中に遍路小屋があったので、ここで休憩する。

木を組み合わせて造られた小屋で、風通しがよく、見た目もなかなかおしゃれだ。

時刻は正午近く。

朝はあれほど濡れていた服も、日差しのおかげですっかり乾いていた。

バックパックを下ろし、しばらく休む。

大根峠遍路道
大根休憩所

22番 平等寺

12時30分、平等寺に到着。

平等寺は、山の斜面を利用して建てられたお寺だ。

境内へ向かう階段を上り、さらに本堂へ向かって階段を上る。手すりが付いているので歩きやすい。

一番高い場所にある本堂からは、周囲の町並みを見渡すことができる。山の中を歩いてきた後だけに、開けた景色が気持ちよかった。

参拝を終えて、境内にベンチで少し休憩。道の駅で買っておいたおにぎりを食べる。

22番 平等寺

23番 薬王寺へ向かう道

次の札所は23番薬王寺。

平等寺から薬王寺までは約20kmある。今から向かっても、今日中に参拝するのは難しい。

それなら、今日はできるだけ先まで進んでおこう。

まずは、南へ約10km。由岐を目指すことにした。

平等寺から由岐へ

平等寺から薬王寺までは約20kmあるが、その間にコンビニはない。

途中の由岐にはスーパーがあるものの、夜には閉まってしまう。食料を必要とする場合は、時間に注意したほうがいい。

宿も数軒あるので、ここで泊まるお遍路さんも多そうだ。

室戸まで96km

歩いていると、遍路道で初めて「室戸」の文字が入った案内看板を見つけた。

室戸まで96km。

まだ96kmもある。

果たして、本当にたどり着けるのだろうか。

四国に入ってまだ6日目。今は目の前の道を歩くことで精一杯だ。

それでも、室戸という名前を目にすると、少しだけ先の旅が現実味を帯びてきた。

室戸まで96km

初めて見る海

時刻は16時頃。

由岐に到着した。

歩いていると、地元の年配の女性から声をかけられた。

「お遍路さん、由岐は徳島で最初の海の見える町だから、見ていって下さい」

そう教えてもらい、少し歩いてみる。

すると、小さな港が見えてきた。

さらに進むと、浜辺が現れた。

海だ。

磯の香りがする。

波の音が聞こえる。

お遍路を始めて6日目。これまで歩いてきたのは、険しい山道ばかりだった。雨の日もあり、昨日は土砂降りの中で野宿をした。

そんな山間部を抜けた先で、初めて見る海だった。

思っていた以上に感動した。

ここまで歩いてきたんだな、と初めて実感した。

由岐の町では食堂を見つけ、夕食をとった。

この日は、由岐から2kmほど先にある遍路小屋で野宿することにした。

由岐の小さな港
由岐の海岸
海岸を歩く私

白浜休憩所で野宿

17時。

由岐から歩いて30分ほどで、遍路小屋「白浜休憩所」を見つけた。

海沿いに建つ木造2階建ての小屋で、すぐ近くにはトイレもある。野宿するにはちょうどよさそうな場所だ。

早速2階に上がり、荷物を下ろす。

ようやく今日の歩きが終わった。

荷物を下ろしただけで、少しほっとした。

天気も良く、屋根もあるので、今夜はテントを張らなくてもよさそうだ。ただ、昨夜の雨で濡れてしまったテントは、乾かすために外に干しておく。

小屋の中は4畳ほどの広さで、ベンチが置かれている。ベンチの上に断熱シートを敷き、その上に寝袋を広げる。

今夜はここで過ごす。

海沿いの小屋なので、海に沈んでいく夕日が見える。そして、夜になると波の音だけが響く。

山の中で雨に濡れながら歩いた朝から始まり、太龍寺を越え、平等寺を参拝し、そして今日は初めて海を見た。

その海を眺めながら眠る。

歩き遍路ならではの、自然を満喫できる贅沢な一夜になった。

白浜休憩所で野宿

寺情報

コメント