歩き遍路13日目は、仁井田を出発し、浦戸大橋を渡って早朝の桂浜へ。その後、33番雪蹊寺と34番種間寺を巡り、2回目の区切り打ちを無事に終えました。道中では地元の方からトマトのお接待をいただき、最後には種間寺でミサンガやお菓子をいただく心温まる出会いもありました。室戸から約110kmを歩いた4日間の遍路旅を振り返ります。
行程表
- 5:00出発
- 仁井田
- 浦戸大橋
- 桂浜
- 8:0033番 雪蹊寺
- 9:4534番 種間寺
- 打ち止め

歩き遍路13日目|区切り打ち最終日は早朝の桂浜へ
6月2日、晴れ。昨日は32番禅師峰寺を参拝した後、33番雪蹊寺へ向かう途中にある仁井田の公園で野宿した。
今日は2回目の区切り打ちの最終日。昼には帰りの飛行機を予約しているため、午前中には札所巡りを終えて高知空港へ向かわなければならない。無理のない範囲で、最後の34番種間寺まで参拝することにした。
禅師峰寺から雪蹊寺へ向かうルートは、大きく分けて2つある。
一つは、種崎から県営フェリーで浦戸湾を渡るルート。無料で運航本数も多く、歩き遍路にとって利用しやすい。一方、もう一つは浦戸大橋を渡るルートだ。こちらはフェリーの時刻を気にせず進めるメリットがあるものの、浦戸湾を大きく迂回する必要がある。
今回は、浦戸大橋を渡った先にある桂浜を訪れてみたかったため、あえて遠回りとなる浦戸大橋ルートを選んだ。
そのため、今朝は早めの4時30分に起床。
外に出ると、朝焼けがとても美しく、思わず写真を撮った。身支度を済ませ、5時には公園を出発した。

浦戸大橋|歩道の狭い早朝の遍路道
出発から30分ほど歩くと、浦戸大橋に差し掛かった。
浦戸湾を横断する大きな橋で、船を通すためか橋の高さもかなりある。橋の上までは長い上り坂が続き、朝一番からなかなかの運動になった。
さらに気になったのが、歩道の狭さだ。車道との距離が近く、歩いていると危険を感じる場面もあった。金剛杖が車道側にはみ出さないよう、体の前に抱え込んで慎重に進む。
早朝だったため交通量が少なかったのは幸いだったが、日中に通行する場合は特に注意が必要だと感じた。
無事に浦戸大橋を渡り終えると、遍路道とは反対方向の左手に桂浜がある。せっかくなので、少し寄り道していくことにした。

桂浜|誰もいない早朝の海岸で坂本龍馬像を訪れる
桂浜は、高知県を代表する景勝地の一つで、美しい海岸線が広がる人気の観光スポットだ。古くから月の名所として知られ、歴代土佐藩主や多くの作家にも愛されてきた。近くには坂本龍馬像が立ち、県内外から多くの観光客が訪れる。
雄大な太平洋を望む景色は、まさに高知らしい風景だ。
この日は早朝だったこともあり、桂浜にはほとんど人の姿がなかった。白装束姿で、一人きりの桂浜を見物する。
普段なら多くの観光客で賑わう場所を、静かな朝の空気の中で独り占めできる。歩き遍路だからこそ味わえる、贅沢な時間だった。


しばらく海岸の景色を楽しみ、桂浜を後にする。少し寄り道をしたものの、午前8時前には33番雪蹊寺に到着した。
33番雪蹊寺|長宗我部氏ゆかりの歴史ある札所
雪蹊寺は、土佐の戦国大名として知られる長宗我部氏と深い関わりを持つ寺院だ。長宗我部元親の菩提寺としても知られ、隣接する秦神社には長宗我部盛親の墓が残されている。
境内周辺には長宗我部氏ゆかりの歴史が伝わり、四国遍路を通じて土佐の戦国時代に思いを馳せることができる札所だ。
歴史的な背景を感じながら境内を巡り、本堂と大師堂を参拝する。
これで残す札所は、今回の区切り打ち最後となる34番種間寺だけ。ここまで順調に歩いてこられたことに感謝しながら、最後の目的地へ向かった。

34番種間寺|農家の方からトマトのお接待
種間寺は、雪蹊寺から西へ約6kmの場所にある。
今日は今回の区切り打ちの最終区間ということもあり、どこか気持ちに余裕がある。急ぐ必要もなく、のんびりと歩き続けた。
途中には細い道をいくつか曲がる区間があるものの、遍路道の案内板に従って進めば迷うことはなかった。
周囲にはビニールハウスや田園地帯が広がり、のどかな農村風景の中を歩いていく。
すると、道中で地元の農家の方からトマトのお接待をいただいた。早朝に収穫されたばかりの新鮮なトマトだ。口にすると甘みがあり、歩き疲れた体に元気が戻ってくるようだった。
こうした地元の方との何気ない交流は、歩き遍路の大きな魅力の一つだと思う。

そして10時前、ついに34番種間寺に到着した。
34番種間寺で区切り打ちを終える
種間寺では、本堂と大師堂を参拝した。
大師堂の前に立ち、今回のお遍路を無事に終えられたことへの感謝を伝える。そして、次回もまたここに参ることを、心の中でそっと呟いた。
5月30日に25番津照寺から始まった今回の区切り打ちも、これで終了。短い期間ではあったが、無事に最後の札所まで歩き通すことができた。

忘れられないお接待|種間寺でミサンガをいただく
参拝を終え、高知空港へ向かうためタクシーを待っていた。
すると、マイクロバスが到着し、20名ほどの団体遍路がぞろぞろと参拝にやってきた。その中にいた先達さんらしき方が、私の姿をちらりと見て声をかけてくれた。
「良い色に焼けていますね」
確かに、連日歩き続けたことで肌はすっかり日焼けしていた。
その方から、お接待としてミサンガをいただいた。すると、それを見た団体のお遍路さんたちが、次々と私の周りに集まってきた。どうやらミサンガを一目見たいようだ。
あっという間に囲まれてしまい、少し戸惑っていると、今度は皆さんからお菓子を山のようにいただいてしまった。
突然の出来事に少し狼狽したが、先達さんの周りに人を引きつける力が、私にも少し宿ったのだろうか。
最後の最後に、こんなにも温かい交流が待っているとは思わなかった。
今回の区切り打ちを締めくくる、忘れられない思い出が一つ増えた。
2回目の区切り打ちを振り返って|室戸から高知市まで約110km
今回の区切り打ちは、5月30日から6月2日までの4日間。25番津照寺から34番種間寺まで、約110kmの道のりを歩いた。
前回の区切り打ちでは足を痛めてしまったため、今回はその対策をして臨んだ。その効果を実感できたことは、大きな収穫だった。
一方で、春のお遍路とは違い、今回は初夏の暑さを感じる旅でもあった。日差しが強くなる時間帯は体力の消耗も大きく、これからの季節に向けた暑さ対策の必要性を改めて感じた。
それでも、室戸岬から高知市街地までの海岸線や田園風景、札所での出会い、そして地元の方々からのお接待など、今回も歩き遍路ならではの体験がたくさんあった。
次回の区切り打ちは、真夏のお盆休みを予定している。
暑さとの戦いになりそうだが、また新たな出会いや風景を楽しみに、次の遍路旅へとつなげていきたい。





コメント