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逆打ちとは

私は歩き遍路で順打ちと逆打ちを合わせて二周しました。

逆打ちに挑戦する前は「順番が逆になるだけでは?」と思っていましたが、実際に歩いてみると想像以上に違いました。

道しるべの見え方、迷いやすさ、人との出会いまで、順打ちとはかなり感覚が変わります。

この記事では、逆打ちとは何か、順打ちとの違い、実際に歩いて感じた難しさやコツ、メリットまで体験を交えて紹介します。

逆打ちとは?簡単にいうと88番から1番へ巡ること

逆打ちとは、四国八十八ヶ所を88番札所から1番札所へ向かって巡る方法です。

一般的なお遍路では、1番札所から順番に88番札所まで巡ります。これを「順打ち」と呼びます。

逆打ちは名前の通り、その反対の順番で進む巡り方になります。

初めて聞くと「順番が逆になるだけ」と思うかもしれません。しかし実際に歩いてみると、ルートの見え方や難しさ、人との出会いまで大きく変わるのが特徴です。

順打ちと逆打ちを四国の地図を使って説明

順打ちとの違い

私自身、歩きで順打ちと逆打ちの両方を経験しましたが、逆打ちの方が難しく感じました。

理由のひとつが道しるべです。遍路道にある案内の多くは順打ちを基準に設置されているため、逆打ちでは見つけにくいことがあります。

時計回りと反時計回りの違い

順打ちは四国を時計回りに進むルートになります。

対して逆打ちは、四国を反時計回りに進んでいきます。

地図で見ると単純に逆方向へ進むだけですが、実際に歩くと景色や出会う人の流れも変わります。

順打ちのお遍路さんが多いため、逆打ちでは多くのお遍路さんとすれ違います。挨拶を交わしたり、道の状況を教えてもらったりする場面も増えました。

なぜ逆打ちと呼ばれるのか

逆打ちは名前の通り、通常のお遍路とは逆の順番で札所を巡るため「逆打ち」と呼ばれています。

昔から逆打ちには特別な意味があるとされ、ご利益が大きいとも言われています。

そのため、あえて逆打ちを選ぶお遍路さんも少なくありません。

逆打ちはなぜ難しいと言われるのか

逆打ちは「順打ちより難しい」と言われることがあります。

私自身、歩きで順打ちと逆打ちの両方を経験しましたが、実際に歩いてみても逆打ちの方が難しく感じました。

体力的に極端な差があるわけではありません。大きな違いは、道を探しながら歩く場面が増えることです。

順打ちでは気にならなかった場所でも、逆打ちになると急に迷いやすくなることがあります。

道しるべの多くが順打ち向け

遍路道には、お遍路さんが迷わないように多くの道しるべがあります。

国道ではガードレールや標識に矢印シールが貼られていたり、町中では電柱や壁に案内があったり、山道では石柱や立て札が設置されていたりします。

国道沿いの道しるべ
山の中の道しるべ

順打ちでは、それらの案内に沿って歩けばほとんど迷うことはありません。

しかし、その多くは順打ちを基準に設置されています。

逆方向から歩くと、シールが見えなかったり、気付かず通り過ぎてしまったりします。

順打ちでは「案内に従って歩く」感覚でしたが、逆打ちでは「案内を探しながら歩く」感覚に近いと思いました。

逆打ちは道しるべが見えにくい:イラストで説明

山道は特に迷いやすい

特に注意したいのが山道です。

町中なら多少道を間違えても戻ることは簡単ですが、山道ではそうはいきません。

分かれ道があったり、古い遍路道と車道ルートが混ざっていたりすると、どちらへ進めばいいか迷うことがあります。

私自身も何度か道を間違えました。

「たぶんこっちだろう」と思って進んだ結果、しばらく歩いてから間違いに気付いて引き返したこともあります。

山で間違えると体力だけでなく時間も大きく消耗します。

少しでも違和感を覚えたら、そのまま進まず、一度立ち止まって確認した方が結果的に安全です。

実際に歩いて感じた逆打ちのコツ

逆打ちは順打ちより道に迷いやすいですが、歩いているうちに「こうすると迷いにくい」というポイントがありました。

私自身、何度か道を間違えながら歩いた経験から、特に役立ったものを紹介します。

青色の道しるべを探す

数はかなり少ないですが、逆打ち用の道しるべもあります。

私の体感では、順打ち用に比べるとかなり少なく、1割程度だった印象です。

順打ちは赤色の案内が多く、逆打ちは青色になっていることがあります。また、シールが逆向きに貼られていることもあります。

見つけたときは「逆打ち用の目印だ」と意識して確認するようにしていました。

すべての場所にあるわけではありませんが、分かれ道や迷いやすい場所では助けになることがあります。

逆さまに貼られた逆打ちルートを示す道しるべ

迷ったら振り返って順打ち目線で見る

これは実際に歩いていて、一番役に立った方法かもしれません。

逆打ちでは道しるべが見つからず、「どっちだろう」と迷う場面があります。

そんなときは、そのまま進まず、一度後ろを振り返ってみました。

すると順打ちのお遍路さん向けの道しるべが見えることがあります。

順打ちの矢印は進む方向を示しているので、その逆方向が自分の進むべき道になります。

逆打ちでは、自分が順打ちの案内を逆から見ていることを意識すると、かなり迷いにくくなりました。

「たぶん合っている」で進まない

逆打ちで一番危険なのは、「たぶんこっちだろう」で進んでしまうことです。

私も何回かやってしまいました。

最初は少し違和感があっても、「そのうち道しるべが出てくるだろう」と思って進んでしまい、結果的にかなり遠回りになったことがあります。

しばらく歩いても案内が見つからない、何となく違和感がある、そんなときは無理に進まず確認する方が結果的には早いことが多いです。

数分の確認で済むことが、後から数十分のロスになることもありました。

逆打ちをして感じたメリット

逆打ちは「難しい」「迷いやすい」と言われることが多いですが、実際に歩いてみると良い面もたくさんありました。

むしろ私自身は、難しさがあるからこそ逆打ちならではの魅力を強く感じました。

順打ちでは味わえなかった出会いや経験も多く、歩き終わったあとには「逆打ちをやってよかった」と思えました。

お接待を受ける機会が多かった

私が歩いていて感じたのは、お接待を受ける機会が多かったことです。

地元の方から飲み物や食べ物をいただいたり、声をかけてもらったりする場面が多くありました。

もちろん地域やタイミングによって違うと思いますが、逆打ちのお遍路さんは比較的少ないため、珍しく感じる方もいるのかもしれません。

お接待そのものも嬉しいですが、何気ない会話が旅の思い出として強く残っています。

多くのお遍路さんとすれ違える

順打ちのお遍路さんはかなり多いため、逆打ちをしているとたくさんの人とすれ違います。

順打ちのときは、同じ方向に歩くことが多いので、会う人は比較的限られます。

しかし逆打ちでは、次々に違うお遍路さんと出会います。

「こんにちは」と挨拶を交わすだけでも気持ちが明るくなりますし、一人で歩いていても不思議と孤独感が少なく感じました。

情報交換がしやすい

すれ違う人が多いことで、情報交換もしやすくなります。

実際に歩いている人から聞ける情報はかなり役立ちました。

「この先は工事していたよ」

「山道が少し分かりにくかった」

「休憩できる場所があるよ」

そんなちょっとした情報が、後からかなり助かったことがあります。

ネットや地図では分からない、今その道を歩いている人だから分かる情報もあります。

逆打ちは難しい面もありますが、人とのつながりを感じやすいのは大きな魅力だと思いました。

逆打ちのご利益は三倍と言われる理由

逆打ちには「順打ち三周分のご利益がある」と言われることがあります。

実際に歩いていると、「せっかくなら逆打ちをしてみたい」「うるう年だから逆打ちを選んだ」という人に出会うこともあります。

ただし、これは宗教的な教義として決まっているものではなく、古くから伝わる言い伝えのひとつです。

それでも現在まで語り継がれているのは、逆打ちが通常のお遍路より難しい巡り方だと考えられてきたことも関係しているのかもしれません。

逆打ちはご利益が大きいと言われる理由

逆打ちは、順打ちより難しいと言われています。

道しるべが少なく、道を探しながら歩く場面も増えます。特に歩き遍路では、迷いやすさや精神的な負担も順打ちより大きく感じることがあります。

そうした難しさがあることから、「その分だけ功徳やご利益も大きい」と考えられるようになったと言われています。

「三倍」という数字もよく聞きますが、何か明確な根拠があるというよりは、古くから伝わる言い伝えとして広まっているものです。

実際には、ご利益の大きさを数字で測れるものではありません。

ただ、苦労した分だけ思い出や達成感が大きく残るというのは、歩いていて感じたことのひとつでした。

うるう年の逆打ちが縁起が良い理由

逆打ちは、特にうるう年に行うと縁起が良いとも言われています。

そのため、うるう年になると逆打ちをするお遍路さんが増える傾向もあります。

私自身も歩いていて感じましたが、お遍路には数字や効率だけでは説明できない文化や信仰が多くあります。

「ご利益が三倍だから」という理由だけではなく、そうした歴史や言い伝えを感じながら歩くのも、逆打ちの魅力のひとつかもしれません。

逆打ちの歴史|衛門三郎との関係

逆打ちは単に札所を逆順に巡る方法というだけではなく、古くから伝わる言い伝えとも関係があります。

その中でも有名なのが、衛門三郎の伝説です。

現在でも「逆打ちには特別な意味がある」と考える人がいる理由のひとつになっています。

衛門三郎の伝説

衛門三郎は、四国に住んでいた裕福な人物だったと言われています。

ある日、托鉢をしていた僧を邪険に扱い、その持っていた鉢を壊してしまいました。

しかし、その後に不幸が続き、自分の行いを深く後悔するようになったそうです。

そこで謝罪するため、四国を巡りながらその僧を探し始めました。

何度巡っても出会えず、最後には通常とは逆方向へ巡り始めたと伝えられています。

これが逆打ちの始まりと言われています。

もちろん伝説として語られている部分もありますが、お遍路文化の中では非常に有名な話です。

弘法大師との関わり

衛門三郎が探していた僧は、後に 空海(弘法大師)だったと言われています。

空海は日本で真言宗を開いた僧として知られ、四国遍路とも深い関わりがあります。

伝説では、逆打ちを続けた衛門三郎は最後に空海と出会い、許しを得たとされています。

こうした言い伝えがあることから、逆打ちは単なる「逆方向に歩く方法」ではなく、特別な意味を持つ巡礼として考えられてきました。

現在でも「順打ちとは違う経験ができる」「より深い修行になる」と考えて、あえて逆打ちを選ぶ人もいます。

逆打ちはこんな人におすすめ

逆打ちは難しい面もありますが、その分だけ順打ちとは違った面白さがあります。

誰にでも向いているというよりは、「こういう人なら特に楽しめる」と感じるタイプがありました。

実際に歩いてみて、特におすすめできる人を紹介します。

順打ちを経験した人

個人的には、一度順打ちを経験している人にはかなりおすすめです。

順打ちを歩いたことがあると、道の雰囲気や遍路の流れがある程度分かっています。

「あ、この場所前に通ったな」と感じる場面もあり、同じ道でも逆方向から見ると印象がかなり変わります。

以前は気付かなかった景色を見つけたり、「ここってこんな坂だったのか」と新しい発見があったりすることもあります。

私自身も、順打ちを経験していたからこそ逆打ちをより楽しめた部分がありました。

人とは違う遍路を経験したい人

「普通のお遍路だけでは物足りない」「少し違う経験をしてみたい」という人にも向いていると思います。

逆打ちをしている人は順打ちに比べると少ないため、珍しがられることもあります。

地元の方から声をかけてもらったり、お遍路さん同士の会話のきっかけになったりすることもありました。

難しい部分はありますが、その分だけ特別感があるのも魅力です。

「少し変わったことをやってみたい」という人なら、楽しめると思います。

まとめ|逆打ちは難しいけれど魅力も多い

逆打ちは、88番から1番へ向かって巡る遍路の方法です。

順打ちと比べると道しるべが少なく、特に山道では迷いやすいため難しいと言われています。

実際に私も何度か道を間違えましたが、その一方で順打ちにはない魅力も感じました。

多くのお遍路さんと出会えたり、お接待や情報交換が増えたり、人とのつながりを強く感じられたのも逆打ちならではでした。

もし順打ちを経験していて、「次は少し違う形で歩いてみたい」と思っているなら、逆打ちはかなり面白いと思います。

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