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歩き遍路38日間の全行程

歩き遍路の記録

こんにちは。このブログを運営しているたかです。

私は5回の区切り打ちで、約1年かけて四国八十八ヶ所の歩き遍路を結願しました。総日数は38日、総歩行距離は約1,140kmです。春・夏・冬・春と複数の季節にわたって歩き、それぞれの季節ならではの特徴や難しさを実際に体験することができました。

この記事の内容を先にまとめると、

  • 最も歩きやすかったのは徳島県
  • 最も厳しかったのは高知県
  • 最も大変だった季節は夏

でした。

また、初心者が最初に対策した方が良いのは体力よりも「荷物・足回り・歩き方」の3つだと感じました。

この記事では、38日間・約1,140kmの全行程とあわせて、季節ごとの特徴、実際に役立った装備、失敗したこと、これから歩き遍路を始める方に役立つ情報についてまとめています。

はじめに|38日間の歩き遍路の概要

歩き遍路は同じ道を歩く場合でも、季節によって印象が大きく変わります。春は比較的歩きやすく感じましたが、夏は暑さや台風への対応が必要でした。また、冬は寒さに加え、日照時間が短いため行動時間にも影響がありました。

県ごとにも特徴があります。徳島は比較的歩きやすく、歩き遍路を始めるには適した環境だと感じました。一方で、高知は札所間の距離が長く、体力面で負担を感じやすい区間でした。愛媛では冬ならではの防寒対策が重要になり、香川では札所同士の距離が短く、比較的巡りやすい印象を受けました。

実際に歩いてみると、出発前に想像していた大変さとは異なる部分も多くありました。最初は荷物を持ちすぎて足を痛めたり、夏には台風に遭遇したり、冬には寒さで十分に眠れなかったこともあります。その一方で、人との出会いや景色など、歩いたからこそ得られた経験も数多くありました。

歩き遍路姿の私:季節は春
冬の遍路道:雪が積もった境内と私

歩き遍路の基本データ

今回の歩き遍路の基本データは以下の通りです。

  • 総日数:38日
  • 区切り打ち回数:5回
  • 総歩行距離:約1,140km

全行程まとめ表(県別)

日数距離季節
徳島7日間220km春(4-5月)
高知13日間385km夏(6, 8月)
愛媛11日間360km冬(12-1月)
香川7日間150km春(4-5月)
四国お遍路 4県の滞在割合を円グラフで説明

この記事でわかること

この記事では、以下の内容についてまとめています。

  • 38日間の歩き遍路の行程
  • 県ごとの特徴や難易度
  • 春・夏・冬それぞれの注意点
  • 実際に役立った装備や持ち物
  • 足の痛みや暑さへの対策
  • 初心者の方が事前に知っておきたいポイント

歩き遍路を終えて感じた全体の結論

38日間、約1,140kmの歩き遍路を終えて感じたのは、「歩くことそのものより、継続することの方が難しい」ということでした。

歩き遍路というと、山道や長距離の厳しさを想像する方が多いと思います。もちろんそれも大変でしたが、実際には毎日歩き続ける中で起こる小さな問題への対応の方が印象に残っています。

足の痛み、荷物の重さ、天候の変化、暑さや寒さへの対応など、一つひとつは小さなことでも積み重なると大きな負担になります。

反対に、それらを少し改善するだけで歩きやすさは大きく変わりました。ここでは、実際に歩いて感じたことをまとめます。

歩き遍路姿の私:お礼参りルート大坂峠展望台

一番歩きやすかった県(徳島)

最も歩きやすかったと感じたのは徳島県でした。

徳島は「発心の道場」と呼ばれており、歩き遍路の出発地点として知られています。歩いてみると、その理由が少し分かった気がしました。

もちろん焼山寺や太龍寺などの山道はありますが、事前にある程度準備をしていれば十分歩ける範囲だと思います。また、必要な道具も現地で揃えやすく、初めてでも始めやすい環境でした。

初めてのお遍路だったため苦労もありましたが、振り返ると4県の中では最も歩きやすく、初心者が最初に経験する地域として適していると感じました。

徳島県の遍路道:一番札所霊山寺への道

一番きつかった県(高知)

最も厳しかったのは高知県でした。

理由は、やはり札所間の距離の長さです。

23番薬王寺から24番最御崎寺、37番岩本寺から38番金剛福寺など、長い距離を歩き続ける区間が多くありました。

歩いている時間が長くなるため、体力だけではなく、水分や食料、休憩のタイミングなども考える必要があります。

さらに私の場合は夏に歩いたため、暑さと長距離が重なり、かなり負担を感じました。

高知は景色も素晴らしく印象に残る区間でしたが、体力面では最も厳しかった地域です。

高知の遍路道:太平洋沿岸部

一番大変だった季節(夏)

季節で最も大変だったのは夏でした。

日照時間が長いため歩ける時間が増え、距離を伸ばしやすいというメリットはあります。

しかし、それ以上に暑さによる体力の消耗が大きかったです。

歩いているだけで汗が出続け、水分補給や休憩を意識していても疲労が蓄積していきました。また、台風シーズンとも重なりやすく、天候による影響も受けやすい時期でした。

春や冬にもそれぞれ大変な点はありましたが、安全面まで含めて考えると、夏が最も難しい季節だったと感じています。

夏のお遍路:遍路小屋で休憩する私

初心者が最初に対策すべきこと(荷物・足・歩き方)

歩き遍路を始める前は、山道や体力ばかり気にしていました。

しかし実際に歩いてみると、最初に対策した方が良いのはもっと基本的な部分でした。

まずは荷物です。

「必要かもしれない」と考えて荷物を増やしてしまいましたが、重さはそのまま足への負担になります。使わなかった物も多く、もっと減らせたと思っています。

次に足回りです。

靴だけではなく、靴下やインソールによって負担は大きく変わりました。歩く距離が長いからこそ、足にかかる小さな負担の差が積み重なります。

そして意外に大きかったのが歩き方でした。

強く踏み込むように歩くのではなく、できるだけ滑らかに歩くことを意識しただけでも足の痛みは軽減しました。

歩き遍路では特別な技術が必要というよりも、小さな負担を減らしていくことの方が重要だったように感じます。

徳島編|発心の道場は初心者に歩きやすかった

徳島の行程一覧

区切り打ち1回目

総距離:約241km
期間:4月25日〜5月3日(9日間)

1番霊山寺から25番津照寺まで歩いた区間です。初めての歩き遍路だったため、道具や歩き方に試行錯誤しながら進みました。焼山寺や太龍寺などの山道もありましたが、歩き遍路の基本を学ぶ区間になりました。

19番立江寺の境内
日数日にち天気札所歩行距離宿泊地
1日目4月25日晴れ1-3番10 km溝渕(善根宿)
2日目4月26日晴れ4-10番31 km鴨島温泉(善根宿)
3日目4月27日晴れ11-12番27 km阿弥陀堂(野宿)
4日目4月28日13-17番25 km八万温泉(野宿)
5日目4月29日大雨18-20番30 km大井休憩所(野宿)
6日目4月30日晴れ21-22番31 km白浜休憩所(野宿)
7日目5月1日晴れ23番39 km宍喰(野宿)
8日目5月2日晴れ40 km室戸岬(野宿)
9日目5月3日晴れ24-25番8 km

徳島の難易度と特徴

徳島県は、歩き遍路全体の約20%を占める区間です。四国八十八ヶ所では「発心の道場」と呼ばれており、多くの方が最初に歩き始める地域でもあります。

徳島で有名なのが、「遍路ころがし」と呼ばれる山道区間です。特に12番焼山寺、20番鶴林寺、21番太龍寺は坂道や山道が続き、歩き遍路の難所として知られています。名前だけ聞くと非常に厳しい印象を受けますが、事前に準備をしておけば十分に歩くことができる区間だと感じました。

焼山寺参道:遍路ころがし

実際に歩いてみた印象としては、4県の中では徳島県が最も歩きやすかったです。歩き遍路のスタート地点として環境が整っており、初めての方にも比較的取り組みやすい地域だと思います。

また、歩き遍路に必要な道具についても、1番札所である霊山寺周辺で一通り揃えることができました。納経帳、白衣、金剛杖など、必要なものを現地で購入できるため、事前に全て準備しなければならないというわけではありません。

1番札所霊山寺で揃えた遍路道具一式

最初のお遍路で苦労したこと

ただし、初めてだからこその失敗や苦労も多くありました。

最も苦労したのは足の痛みでした。

山道よりもきつかったのは、毎日何十kmもアスファルトの上を歩き続けることです。歩き始めて数日で足にかなり負担がかかり、原因を考えてみると、ほとんどが準備不足によるものだと感じました。

遍路道で鞄を下ろして休憩中の私

荷物が多すぎた

最初は「必要になるかもしれない」と考え、荷物を多く持ちすぎていました。

大きめのランタンや予備の着替えを3着ほど持っていましたが、結果としてほとんど使いませんでした。実際には2着を交互に着回すだけで十分でした。

歩き遍路では、荷物の重さがそのまま足への負担につながります。特に初心者のうちは、「念のため」持っていくものが増えやすいですが、必要になったら現地で購入するくらいの考え方でも問題ないと感じました。

歩き遍路姿の私:焼山寺山道で休憩中

靴下とインソール不足

靴については山道を意識してトレッキングシューズを用意していました。

しかし、靴下やインソールについては特に考えず、普段使っているものをそのまま使用していました。これも足への負担が大きくなった原因のひとつだったと思います。

次の区切り打ちでは、土踏まずをサポートするタイプの靴下と、クッション性の高いインソールを使用しました。その結果、足への衝撃がかなり軽減され、痛みも大きく改善されました。

靴だけでなく、靴の中の環境も重要だと実感しました。

歩き方が悪かった

歩いている途中で、自分の足音が気になったことがありました。

「ドス、ドス」と大きな音がしていたため、足が強く地面にぶつかっていることに気付きました。歩行の衝撃がそのまま足に伝わっていたのだと思います。

そこで、かかとから着地し、足裏全体を使いながらつま先で自然に蹴り出すような、できるだけ滑らかな歩き方を意識するようにしました。また、足音を立てないような感覚で歩くことも心がけました。

すると足への負担が少しずつ軽減され、以前より楽に歩けるようになりました。

徳島で学んだこと

徳島県で学んだことは、「最初から完璧な準備をする必要はない」ということです。

歩き遍路では、実際に歩いてみなければ分からないことが多くあります。私自身も最初は準備不足や失敗がありましたが、歩きながら少しずつ改善していくことで、次第に自分に合ったスタイルが見えてきました。

歩き遍路を始める前は山道や長距離ばかり気になっていましたが、実際には日々の歩き方や荷物の重さといった、小さなことの積み重ねがとても重要でした。

初めて歩く方は、最初から完璧を目指しすぎず、まずは歩きながら自分に合う方法を見つけていくくらいの気持ちでも十分だと思います。

徳島の遍路道:歩き遍路姿の私

高知編|夏の歩き遍路は距離を稼げるが過酷

高知の行程一覧

区切り打ち2回目

総距離:約109km
期間:5月30日〜6月2日(4日間)

25番津照寺から34番種間寺まで歩いた区間です。高知県に入り、札所間の距離が少しずつ長くなってきました。夏が近づく時期だったため暑さも感じ始め、高知特有の長距離区間の雰囲気を少しずつ実感した区間でした。

31番竹林寺の五重塔
日数日にち天気札所歩行距離宿泊地
10日目5月30日晴れ25-26番22 km二十三士公園(野宿)
11日目5月31日晴れ27番38 km夜須(野宿)
12日目6月1日晴れ28-32番38 km仁井田(野宿)
13日目6月2日晴れ33-34番11 km

区切り打ち3回目

総距離:約281km
期間:8月8日〜8月15日(8日間)

34番種間寺から40番観自在寺を経て宇和島まで歩いた区間です。高知後半の長距離区間が続き、今回の歩き遍路の中でも特に厳しく感じた区間でした。真夏の暑さに加えて台風にも遭遇し、体力だけでなく天候への対応の大切さも実感しました。

38番金剛福寺の境内
日数日にち天気札所歩行距離宿泊地
14日目8月8日34-36番24 km国民宿舎 土佐(閉館)
15日目8月9日台風30 km安和(野宿)
16日目8月10日曇り37番39 km土佐佐賀温泉(野宿)
17日目8月11日晴れ43 km下ノ加江・水車(野宿)
18日目8月12日晴れ38番38 km以布利・じんべえ広場(野宿)
19日目8月13日晴れ39番44 km宿毛(野宿)
20日目8月14日晴れ40番23 km40番 観自在寺(通夜堂)
21日目8月15日晴れ40 km宇和島(ビジネスホテル)

高知の難易度と特徴

高知県は歩き遍路全体の約34%を占める区間で、4県の中でも最も長い距離を歩く地域です。

特徴的なのは、札所と札所の間の距離が長いことです。特に23番薬王寺から24番最御崎寺までの約76km、37番岩本寺から38番金剛福寺までの約80kmは、高知県を代表する長距離区間として知られています。

徳島では比較的短い間隔で札所がありましたが、高知では寺に到着するまで長い道を歩き続けることが多くなります。そのため、体力だけではなく、水分や行動計画の管理も重要になると感じました。

一方で、1日に訪れる札所の数そのものは多くないため、参拝時間に大きく時間を取られることはありません。長距離を歩くことが中心になるため、歩くペースを作りやすい区間でもありました。

足摺岬へ向かう遍路道:太平洋沿岸部

夏のお遍路で気を付けたこと

言うまでもなく暑さは非常に厳しく、歩くこと自体よりも暑さへの対応の方が大きな課題だったように感じます。

一方で、夏は日照時間が長いため、歩ける時間を確保しやすいというメリットもありました。また高知県は札所間が長く、参拝による時間の消費が少ないため、比較的距離を伸ばしやすい区間でもあります。

ただし、歩けるからといって無理をすると体力の消耗も大きくなります。特に夏は暑さへの対策が重要でした。

夏の歩き遍路:日陰のない遍路道

水分補給

高知では次に自動販売機や店舗がある場所が分からないことも多かったため、水は最低でも1L程度は持つようにしていました。

また、一度に大量に飲むのではなく、15分程度ごとに少しずつ口にすることを意識していました。喉が渇いてから飲むというよりも、こまめに補給する方が疲労感も少なかったように感じます。

暑い時期は、水分が不足してから対処するのではなく、事前に補給することが大切だと思いました。

帽子・菅笠

日差し対策は必須でした。

私は菅笠を使用していましたが、顔だけでなく首や肩周りまで広く日差しを遮ることができたため、とても役立ちました。

帽子でも問題ないと思いますが、長時間歩くことを考えると、できるだけ広い範囲を日陰にできるものが快適だと感じました。

歩き遍路で休憩中の私:菅笠で日差しをカット

熱中症対策

夏は気温だけではなく、路面からの照り返しも強く、想像以上に体力を消耗しました。

できるだけ日陰で休憩することや、無理に歩き続けないことも大切でした。少し疲労を感じた段階で休む方が、結果的には長く歩けたように思います。

また、宿泊場所によっては通夜堂の方が暑く感じることもありました。建物内に日中の熱が残っている場合があり、場所によっては外の方が涼しいと感じたこともあります。

夏は宿泊先を選ぶ際に、設備や環境も確認しておくと安心だと思います。

夏のお遍路については別記事で詳しくまとめました。
【実体験】夏のお遍路は過酷?お盆に高知〜宇和島280km歩いた暑さ対策・持ち物・宿泊事情

台風で危険を感じた体験

今回の歩き遍路で特に厳しかった出来事のひとつが、金剛福寺へ向かう途中で大型の台風に遭遇したことでした。

雨風が強くなり、途中で歩くことが難しくなってしまいました。予定通り進むことができず、その日は野宿せざるを得ない状況になりましたが、今振り返ると危険な判断だったと感じています。

また、台風が通過した後も注意が必要でした。山間部の札所では、倒木や土砂崩れなどの影響が残っている可能性があります。

夏の歩き遍路では暑さだけでなく、台風の時期も考慮して計画を立てた方が安心だと思います。

大型の台風が接近中の遍路道:雨具を身につけた私

台風シーズンの歩き遍路については、別の記事でも詳しくまとめています。
台風シーズンのお遍路は危険?遭遇確率・実体験・対策を徹底解説

高知で学んだこと

高知県で学んだことは、「歩く体力だけでは足りない」ということでした。

長距離を歩く力はもちろん必要ですが、それ以上に重要だったのは、暑さへの対応や水分管理、天候を見ながら行動を調整する判断力でした。

特に夏は、予定通り進むことよりも安全を優先することが大切だと感じました。

距離を伸ばしやすい区間ではありますが、無理をして歩き続けるよりも、自分の体調や天候を見ながら柔軟に行動することが結果的に安全で快適なお遍路につながると思います。

歩き遍路姿の私:夏の高知四万十川河川敷

愛媛編|冬のお遍路は寒さとの戦い

愛媛の行程一覧

区切り打ち4回目

総距離:約307km
期間:12月26日〜1月4日(10日間)

41番龍光寺から65番三角寺まで歩いた区間です。年末年始の時期だったため、冬の寒さや日照時間の短さを強く感じました。山寺も多く、防寒対策や宿泊時の寒さへの対応が特に重要だった区間でした。

64番前神寺の境内:正月の門松が飾られた
日数日にち天気札所歩行距離宿泊地
22日目12月26日晴れ41-43番24 km宇和(ビジネスホテル)
23日目12月27日晴れ40 km内子町大瀬(野宿)
24日目12月28日晴れ44-45番39 km国民宿舎 古岩屋荘
25日目12月29日晴れ46-49番40 km道後公園(野宿)
26日目12月30日晴れ50-53番29 km文化の森(野宿)
27日目12月31日晴れ54-56番32 km56番 泰山寺(通夜堂)
28日目1月1日曇り57-59番32 kmしこくや(ホテル)
29日目1月2日60-64番28 km伊予西条(ビジネスホテル)
30日目1月3日晴れ38 km戸川公園(野宿)
31日目1月4日晴れ65番5 km

愛媛の難易度と特徴

愛媛県は歩き遍路全体の約32%を占める区間です。距離が長いだけではなく、高低差のある山道も多く、体力を必要とする地域だと感じました。

特に44番大寶寺、45番岩屋寺、60番横峰寺は、山寺として知られる難所です。山道が続くため、平地中心だった区間とは異なり、歩行距離以上に疲労を感じる場面もありました。

一方で、愛媛は市街地を通る区間も多く、歩いていて景色や雰囲気が大きく変化する印象がありました。山間部を抜けた後に町へ入る場面も多く、長距離を歩く中で気分が切り替わる区間でもありました。

私が愛媛を歩いた時期は年末年始でした。歩き遍路の方は少ないかと思っていましたが、実際には想像していたよりも多く、各地でお遍路さんを見かけました。

歩き遍路道:久万高原へのルート
45番岩屋寺の境内とそり立つ岩壁

冬の服装と防寒対策

冬の歩き遍路で最も重要だと感じたのは、防寒対策でした。

歩いている間は体が温まりますが、休憩中や朝晩は気温が大きく下がります。特に山間部では想像以上に寒く、歩いている時と止まっている時で体感温度がかなり変わりました。

私の場合は、保温性が高く、できるだけ軽量な服装を意識しました。

冬のお遍路:防寒具を身につけた私

インナー

基本はインナーを重ね着する方法を取りました。

歩いていると体温が上がるため、厚手のものを1枚着るよりも、薄手のものを重ねて調整できる方が使いやすく感じました。

気温や時間帯に合わせて脱ぎ着できるため、体温管理もしやすかったです。

ダウン

アウターは薄手のダウンジャケットを使用しました。

厚手の防寒着も考えましたが、歩き遍路では荷物の重量も重要になります。そのため、できるだけ軽く、収納しやすいものを選びました。

歩いている時はダウンの上に白衣を着用していましたが、十分に暖かく感じました。

また、手元の冷え対策として軍手も使用していました。特別な防寒用品ではありませんでしたが、朝の冷え込みには十分役立ちました。

寝袋

野宿をした日も何日かありました。

寝袋は春に使用していたものをそのまま使いましたが、これは失敗だったと感じています。

平野部ではインナーを重ね着することで何とか眠ることができましたが、山間部では寒さが非常に厳しく、十分に眠ることができませんでした。

歩いている間は体が温まるため大丈夫だと思っていましたが、夜になると状況は大きく変わります。

冬の歩き遍路で山間部の宿泊を考えている場合は、季節に合った性能の寝袋を選んだ方が安心だと思います。

冬の遍路小屋で野宿:断熱シートの上に寝袋。平野部はこれで過ごせた。

冬のお遍路で感じたメリットとデメリット

冬のお遍路には大変な点もありましたが、良かったと感じる部分もありました。

最も大きなデメリットは、日が短いことです。

夏と比べると歩ける時間がかなり限られるため、距離を伸ばしにくく感じました。特に夕方になると急に暗くなるため、宿泊場所や到着時間を早めに考える必要がありました。

一方で、気温が低いため歩いていて体力の消耗は比較的少なく感じました。

夏のように暑さで体力を奪われることが少なく、足への負担も軽く感じました。長距離を歩いても汗による疲労が少なく、歩くこと自体は比較的快適だった印象があります。

冬のお遍路は寒さへの対策が必要ですが、暑さが苦手な方にとっては歩きやすい季節でもあると感じました。

冬の歩き遍路姿の私

香川編|寺間距離は短いが参拝時間が増える

香川の行程一覧

区切り打ち5回目

総距離:約203km
期間:4月29日〜5月5日(7日間)

65番三角寺から88番大窪寺、そして1番霊山寺まで歩いた区間です。札所間の距離が比較的短く、歩きやすさを感じました。一方で、一日に参拝する寺の数が増えるため、歩行距離だけでなく時間配分も意識する必要がありました。

75番善通寺の本堂
日数日にち天気札所歩行距離宿泊地
32日目4月29日晴れ65-67番32 km67番 大興寺(野宿)
33日目4月30日晴れ68-75番32 km75番 善通寺(宿坊)
34日目5月1日晴れ76-80番30 km五色台(野宿)
35日目5月2日晴れ81-83番26 km栗林(善根宿)
36日目5月3日晴れ84-87番31 km亀鶴公園(野宿)
37日目5月4日晴れ88番31 kmとらまる公園(野宿)
38日目5月5日晴れ1番21 km

香川の難易度と特徴

香川県は歩き遍路全体の約14%を占める区間で、4県の中では最も距離が短い地域です。

実際に歩いてみた印象としても、全体的に歩きやすく感じました。すでに徳島・高知・愛媛を歩いていたこともあり、体力面や歩く感覚にも慣れていたことが大きかったと思います。

また、香川は札所同士の距離が比較的短く、駅から近い札所も多いため、宿泊施設やコンビニなどを利用しやすい環境でした。長距離区間が続いた高知県などと比べると、途中で補給や休憩をしやすく、安心感のある区間だった印象があります。

香川で有名な難所のひとつが、66番札所雲辺寺です。標高約900mに位置する四国八十八ヶ所の中で最も標高の高い札所として知られています。

もちろん登りは楽ではありませんが、歩いてみた印象では、一定のペースで登りが続く区間だったため、焼山寺のような急なアップダウンが続く山道よりは歩きやすく感じました。

全体としては、4県の中でも比較的歩きやすい区間だと思います。

ただし、別の難しさもありました。

それは、札所同士の距離が短いことで、一日に訪れる寺の数が増えることです。歩く距離自体はそこまで長くなくても、参拝や納経の時間が積み重なり、思ったより時間が過ぎていくことがありました。

66番雲辺寺境内
85番八栗寺境内:多くの観光客で賑わいをみせる

最後に感じた注意点

香川県では「歩く距離」だけではなく、「時間の使い方」を意識することが大切だと感じました。

納経時間

香川では札所の間隔が短いため、次々に寺へ到着できます。

そのため歩くことだけを考えると順調に進んでいるように感じますが、実際には参拝や納経の時間が少しずつ積み重なっていきます。

気付いた時には思っていた以上に時間が経過していることもありました。

納経時間を気にしすぎて急ぐよりも、間に合わなければ翌日に回るくらいの余裕を持った方が、結果的には落ち着いて歩けると思います。

結願の証:賞状や納経帳など

歩き遍路をこれから始める人へのアドバイス

38日間歩いて感じたことは、歩き遍路は体力だけで乗り切るものではないということでした。

出発前は「持ち物を完璧に揃えなければいけない」「毎日長距離を歩かなければいけない」と考えていましたが、実際に歩いてみると想像していたものとは少し違いました。

もちろん事前準備は大切ですが、最初から全てを完璧にする必要はありません。歩きながら少しずつ自分に合った方法を見つけていく方が、無理なく続けられると思います。

最初から完璧な準備は不要

初めて歩き遍路をする場合、何を準備すればよいのか分からず、不安になる方も多いと思います。

私自身も出発前は、必要になりそうなものをできるだけ持っていこうと考えていました。しかし実際には、使わなかったものも多くありました。

歩き遍路では、人によって歩くペースや宿泊方法、必要なものが大きく異なります。そのため、出発前に全てを正解にすることは難しいと感じました。

実際に歩いてみることで、「これは必要だった」「これはなくても良かった」ということが少しずつ分かってきます。

最初から完璧を目指すよりも、歩きながら調整していくくらいの気持ちの方が、気持ちにも余裕が持てると思います。

無理な距離設定をしない

歩き遍路を始めた頃は、「できるだけ距離を進めたい」と考えていました。

しかし、毎日同じ距離を歩けるわけではありません。

天候、気温、体調、山道の有無などによって疲労は大きく変わります。同じ30kmでも、平地中心の日と山道が続く日では負担が全く違いました。

また、歩き遍路では移動だけではなく、参拝や休憩、食事の時間もあります。

予定通り進めない日があっても、それほど気にしなくて良いと思います。

無理をして距離を伸ばすよりも、翌日も歩ける余裕を残して終える方が、結果的には長く続けやすいと感じました。

困ったら現地調達でも十分

出発前は、「忘れ物をしたら困る」と考えていました。

しかし実際に歩いてみると、必要なものの多くは現地で購入できました。

お遍路用品についても、1番札所周辺で揃えることができますし、途中にもコンビニやドラッグストア、ホームセンターなどがあります。

着替えや日用品についても、足りなくなった時点で購入する方が荷物を軽くできる場合もありました。

もちろん事前準備は大切ですが、「全部持っていかなければならない」と考えすぎなくても大丈夫だと思います。

歩き遍路は予定通りに進まないこともありますが、その場で考えながら対応していくことも含めて、お遍路の一部なのかもしれません。

まとめ

歩き遍路は約1,140km、38日間という数字だけを見ると、とても大変な挑戦に感じるかもしれません。実際に歩いてみても、暑さや寒さ、足の痛み、天候の変化など、楽なことばかりではありませんでした。

ただ、振り返ってみると印象に残っているのは、大変だったことだけではありません。歩いている途中で出会った人たちや、毎日少しずつ景色が変わっていくこと、自分のペースで前に進み続ける時間など、歩いたからこそ感じられたこともたくさんありました。

最初は準備不足でも、失敗しても問題ありません。私自身も歩きながら少しずつ改善して、自分なりのやり方を見つけていきました。

これから歩き遍路を始める方の参考に、少しでもなれば嬉しいです。

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