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歩き遍路12日目

歩き遍路 12日目 歩き遍路の記録

歩き遍路12日目は、道の駅やすを出発し、28番大日寺から32番禅師峰寺まで、高知県の札所5ヶ所を巡りました。道中では、松本大師堂でのお遍路さんとの出会いや、苔が美しい国分寺、土佐神社と深い関わりを持つ善楽寺、五重塔が印象的な竹林寺など、見どころが続きます。最後に訪れた禅師峰寺からは土佐湾を一望。約1日の歩行を終え、仁井田の公園で野宿しました。高知市街地に近づくにつれて変化する遍路道の風景と、札所巡りの魅力を紹介します。

行程表

6月1日 はれ
  • 5:30
    出発
    1. 道の駅やす
  • 8:00
    28番 大日寺
    1. 松本大師堂
  • 10:45
    29番 国分寺
    1. 蒲原休憩所
  • 13:00
    30番 善楽寺
  • 15:00
    31番 竹林寺
  • 16:30
    32番 禅師峰寺
  • 18:00
    仁井田

    野宿

歩き遍路 12日目

道の駅やすを出発!高知市街地に近づく歩き遍路12日目

6月1日、晴れ。朝5時前に起床した。歩き遍路も今日で通算12日目となる。

昨日は奈半利から約40kmを歩き、夜須の海岸で野宿した。今日の最初の目的地は、約10km先にある28番大日寺。そこから先は、7km前後の比較的短い区間で札所が続く。

朝焼けに照らされながら身支度を済ませた。

早朝の道の駅やす

5時30分、道の駅やすを出発

今日はどこまで進めるだろうか。自分の足の状態を確かめながら、無理のないペースで歩くことにした。

国道55号線を北西に向かって進む。1時間ほど歩くと高速道路の高架が見えてきた。そこからさらに北へ進み、午前8時前、最初の目的地である28番大日寺に到着した。

28番大日寺|静かな山あいに佇む札所

大日寺は、野市町の山麓に位置する札所だ。境内へ向かう参道は木々に囲まれ、林の中を登っていく。境内に出ると視界が開け、周囲の喧騒から離れた静かな空気に包まれていた。

予定どおり、朝一番の参拝を済ませる。まだ人も少なく、落ち着いた雰囲気の中で手を合わせることができた。

次の札所は29番国分寺。ここから西へ向かう。

28番大日寺

松本大師堂で北海道のお遍路さんと出会う

国分寺までは、大日寺から約8km。香南市と南国市の境を流れる物部川を橋で渡り、その先に広がる田園地帯を西へ進んでいく。

徳島県から高知県に入って以来、海岸沿いを歩く日が続いていた。久しぶりに目にするのどかな田園風景が新鮮で、気持ちよく歩くことができた。

道中で松本大師堂を見つけ、ひと休みすることにした。

屋根付きの休憩スペースに加え、トイレも整備されている。施設はきれいに保たれており、掃除も行き届いていた。地元の方々がお遍路さんを大切に迎えてくれていることが伝わってくる。

休憩していると、先客のお遍路さんがいた。少し話をしてみると、北海道から来た方だった。

お互いの旅の様子を話し、励まし合う。こうした何気ない交流も、歩き遍路ならではの楽しみだ。

休憩を終えて、再び出発する。

松本大師堂

29番国分寺|土佐の苔寺と呼ばれる美しい境内

松本大師堂を後にし、案内板を頼りに西へ進む。この周辺は曲がり道が多く、進行方向が分かりにくい場所もあった。遍路道の案内を見落とさないよう、注意しながら歩きたい区間だ。

田園地帯を抜けると、国分川に架かる橋を北へ渡る。橋を渡ってすぐ左に曲がると、開けた土地の中にぽつんと林が見えてきた。

「あれが国分寺だろうか?」

予想どおり、その先に29番国分寺があった。到着したのは午前11時前。

山門から境内へと続く参道がとても美しい。両脇には背の高い木々が並び、心地よい木陰をつくっている。足元には苔が広がり、鮮やかな緑が目を引いた。

国分寺は「土佐の苔寺」とも呼ばれているそうだ。

美しい庭園の雰囲気を楽しみながら参拝を済ませ、次の札所へ向かった。

29番国分寺

30番善楽寺|土佐神社とともに伝える神仏習合の歴史

次は30番善楽寺。国分寺から西へ約7kmの道のりだ。

国分寺を出て西へ進むと、大きな国道32号線に差し掛かる。ここで少し珍しいのが、国道の下に歩行者専用の地下道が設けられていること。横断歩道まで遠回りすることなく、安全に道路を渡ることができた。

その先は、土佐北街道を通る遍路道。用水路に沿って田園風景の中を進んでいく。道中には古い遍路道を示す石柱も残されており、歴史を感じながら歩ける道だった。

しばらく進むと、蒲原休憩所を発見。バックパックを下ろして休憩することにした。

蒲原休憩所

蒲原休憩所は、木材を組み合わせたおしゃれな外観が特徴的な休憩所だ。時刻は正午を過ぎ、日差しもかなり強くなってきた。

バックパックを下ろすだけでも、背中にこもった熱が逃げて随分と楽になる。長距離を歩くと、こうした短い休憩がありがたい。

蒲原休憩所

30番善楽寺を参拝

休憩所を出て、さらに西へ30分ほど歩くと善楽寺に到着した。

善楽寺は、隣接する土佐神社と深い関わりを持つ寺院だ。かつて神仏習合が行われていた時代には、土佐神社の別当寺として神社の祭祀や管理に携わっていた。明治時代の神仏分離によって一時廃寺となったが、後に再興され、現在も土佐神社とともに地域の信仰を伝えている。

四国遍路の中でも、神仏習合の歴史を感じられる札所の一つだ。

30番善楽寺

31番竹林寺|高知市街を見渡す五重塔と初夏の緑

善楽寺を13時頃に出発し、31番竹林寺を目指す。距離は約6km。今のペースなら、さらに次の32番禅師峰寺まで進めそうだ。今日の行程が見えてきて、少し気持ちにも余裕が生まれた。

この辺りまで来ると、高知市街地に近いエリアに入る。飲食店やコンビニも多く、食料の調達には困らない。道中でおにぎりやサンドイッチを購入し、歩きながら少しずつ食べて距離を稼いだ。

竹林寺へ向かう遍路道には、少し変わった区間がある。隣接する牧野植物園の敷地内を通るルートだ。植物園への入園は有料だが、竹林寺へ向かう遍路道を通行する場合は無料で通ることができた。

31番竹林寺を参拝

15時、竹林寺に到着。境内は標高約120mの高台にあり、最後の上りで乱れた息を整えてから参拝した。

高知市街地からも近いためか、お遍路さんだけでなく観光客の姿も多く、境内は賑わっていた。

広葉樹が多く、初夏の鮮やかな緑がとても美しい。秋には紅葉も見事だろうと想像しながら境内を歩く。

ひときわ目を引くのが、境内の高い場所にそびえる五重塔だ。塔へと続く階段と周囲の木々が美しい景観をつくり、写真を撮る参拝客も多く見られた。

竹林寺の御本尊は、四国八十八ヶ所では珍しい文殊菩薩。学問に御利益があるとされている。

31番竹林寺の五重塔
31番竹林寺

32番禅師峰寺|土佐湾を一望する「船魂の観音」

次は32番禅師峰寺。竹林寺から約8kmの道のりだ。時間的にはぎりぎり間に合うかどうか。納経の時間も気になるため、ここからは休憩を取らず、少し歩調を速めて向かうことにした。

まずは竹林寺の高台から南へ一気に下る。下田川沿いを東へ約1km進むと、南を示す遍路道の看板が見えてきた。さらに約1km南下すると、大きな石土池の脇を通る。

時間があれば、池の土手でのんびり過ごしたいところだ。しかし、今は次の札所の納経時間が気になる。景色を横目に、そのまま先へ進んだ。

石土池をぐるりと回った先に、禅師峰寺が見えてきた。

32番禅師峰寺を参拝

16時30分、なんとか到着。今日最後の札所への参拝に間に合った。

禅師峰寺は高台に位置し、境内からは土佐湾を一望できる。海を見渡せる開放的な景色が気持ちよく、長い距離を歩いてきた疲れも少し和らぐようだった。

古くから海上安全を願う「船魂の観音」として親しまれ、歴代土佐藩主や漁師たちの信仰を集めてきたという。

境内には大小さまざまな奇岩が点在しており、見どころも多い。海の景色と独特な岩の風景が印象に残る札所だった。

32番禅師峰寺
禅師峰寺境内からの眺め

仁井田で野宿|歩き遍路12日目を終えて

今日の参拝はこれで終了。もう時間を気にして先を急ぐ必要はない。ようやく安堵の気持ちが湧いてきた。

あとは寝床を探すだけだ。適当な場所まで歩き、野宿できそうな広場を見つけよう。そう考えながら、禅師峰寺を後にした。

ただ、竹林寺から少し急いで歩いた影響か、足の裏に痛みが出始めていた。

禅師峰寺から西へ向かって、さらに1時間ほど歩く。しばらく進むと、野宿できそうな手頃な公園を見つけた。

時刻は18時。今日はここを寝床にすることにした。

薄暗くなり始めた公園でテントを設営する。公園の水道で軽く汗を流し、ベンチに腰掛けて一息ついた。

今日の1日を振り返る

今日は道の駅やすから出発し、28番大日寺、29番国分寺、30番善楽寺、31番竹林寺、そして32番禅師峰寺まで、5つの札所を巡ることができた。

久しぶりの田園風景、松本大師堂での出会い、苔が美しい国分寺、歴史を感じる善楽寺、五重塔が印象的な竹林寺、そして土佐湾を一望できる禅師峰寺。

札所ごとに異なる景色を楽しめた一日だった。

寺情報

  • 28番
  • 29番
  • 30番
  • 31番
  • 32番
  • 33番

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