四国八十八ヶ所を巡っていると、さまざまな仏さまが御本尊として祀られていることに気づきます。
その中でも、四国八十八ヶ所で多くの札所の御本尊となっている仏さまの一つが、**阿弥陀如来(あみだにょらい)**です。
阿弥陀如来は、はるか西方にあるとされる極楽浄土の教主として知られ、迷いや苦しみの中にいる人々を救い、極楽浄土へ導く仏さまとして信仰されてきました。
四国八十八ヶ所では、阿弥陀如来を御本尊とする札所が10ヶ所あります。
この記事では、阿弥陀如来とはどのような仏さまなのか、その特徴や意味、御利益、御真言、そして阿弥陀如来を御本尊とする札所をご紹介します。
阿弥陀如来とは?
阿弥陀如来は、西方極楽浄土の教主とされる仏さまです。
「阿弥陀」という名前は、サンスクリット語の「アミターバ(Amitabha)」や「アミターユス(Amitayus)」に由来するとされ、**「無量の光」「無量の寿命」**という意味があります。
そのため、阿弥陀如来は、
- 無量光仏
- 無量寿仏
とも呼ばれます。
阿弥陀如来は、すべての人々を救い、極楽浄土へ導くという誓願を立てた仏さまとして、古くから広く信仰されてきました。
特に日本では、阿弥陀如来を信仰して「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える浄土信仰が広まり、多くの人々に親しまれています。
阿弥陀如来はどんな姿をしている?
阿弥陀如来は、穏やかな表情で座る姿や、立っている姿の仏像として表されることが多い仏さまです。仏像では、両手を胸や腹の前で組んだり、手の指で印を結んだ姿などが見られます。
また、阿弥陀如来が人々を極楽浄土へ迎える場面を表した**来迎(らいごう)**の姿では、立ち上がった阿弥陀如来が表現されることもあります。
阿弥陀如来の脇侍としては、観音菩薩と勢至菩薩が並ぶことがあり、これを阿弥陀三尊と呼びます。
四国八十八ヶ所でも、第7番十楽寺では、御本尊の阿弥陀如来の両脇に観音菩薩と勢至菩薩が安置され、阿弥陀三尊として祀られています。
極楽往生 / 苦しみからの救済 / 心の安らぎ / 慈悲による救い
御影
おん あみりた ていせい から うん
阿弥陀如来の「極楽浄土」とは?
阿弥陀如来を理解するうえで重要なのが、極楽浄土です。
極楽浄土は、阿弥陀如来が教主として説法を行う浄土で、苦しみや迷いから離れた世界とされています。
阿弥陀如来は、すべての人々を救うという誓願を立て、その願いによって人々を極楽浄土へ導く仏さまとして信仰されてきました。
そのため、阿弥陀如来への信仰には、
「この世の苦しみから救われ、阿弥陀如来のいる極楽浄土へ導かれたい」
という願いが込められています。
阿弥陀如来はどんな人を救う仏さま?
阿弥陀如来は、すべての人々を救い、極楽浄土へ導く仏さまとして信仰されています。
阿弥陀如来の本願は、身分や立場などに関係なく、広く人々を救おうとするものとされています。
そのため、阿弥陀如来は昔から多くの人々に信仰されてきました。
特に浄土教では、阿弥陀如来の救いを信じ、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることが重要な実践の一つとされています。
四国八十八ヶ所を巡る際にも、阿弥陀如来を御本尊とする札所では、極楽浄土や阿弥陀如来の誓願について思いを馳せながらお参りすることができます。
阿弥陀如来の御利益
阿弥陀如来は、人々を苦しみや迷いから救い、極楽浄土へ導く仏さまとして信仰されています。
そのため、阿弥陀如来には次のような願いが込められてきました。
- 極楽往生
- 苦しみからの救済
- 心の安らぎ
- 阿弥陀如来の慈悲による救い
阿弥陀如来への信仰では、現世での願いだけでなく、死後に極楽浄土へ往生することも大きな意味を持っています。
阿弥陀如来を御本尊とする四国八十八ヶ所の札所
四国八十八ヶ所では、阿弥陀如来を御本尊とする札所は10ヶ所あります。
徳島県
第2番 極楽寺

阿弥陀如来を御本尊とする札所の中でも、四国遍路の始まりに近い札所の一つです。
寺に伝わるところでは、御本尊の阿弥陀如来は弘法大師作とされています。
阿弥陀如来を祀る寺院らしく、寺名にも「極楽」という言葉が使われています。
第7番 十楽寺

弘法大師がこの地を訪れた際に阿弥陀如来を感得し、如来像を刻んで本尊として祀ったと伝えられています。
「十楽寺」という寺名には、生・老・病・死などの苦難を離れ、十の光明と楽しみを得られるようにという願いが込められたと伝えられています。
また、御本尊の阿弥陀如来の両脇には観音菩薩と勢至菩薩が安置され、阿弥陀三尊として祀られています。
高知県
第30番 善楽寺

善楽寺は、土佐国一宮である高鴨大明神の別当寺として弘法大師が開創したと伝えられています。
神仏習合の歴史を持つ寺院で、現在も高知市内にある四国八十八ヶ所の札所として多くの遍路が訪れています。
第37番 岩本寺

岩本寺は、四国八十八ヶ所の中でも特徴的な札所です。御本尊は一体ではなく、
- 不動明王
- 観世音菩薩
- 阿弥陀如来
- 薬師如来
- 地蔵菩薩
の五仏が本尊として祀られています。そのため、阿弥陀如来も岩本寺の御本尊の一尊です。
愛媛県
第47番 八坂寺

御本尊の阿弥陀如来坐像は、恵心僧都源信の作と伝えられています。
八坂寺には「極楽の途」と「地獄の途」があり、阿弥陀如来のいる極楽浄土と、仏教で説かれる地獄の世界を身近に感じられる場所として知られています。
本堂の地下室には、全国の信者から奉納された阿弥陀尊が約8,000体祀られています。
第53番 圓明寺

寺伝によれば、聖武天皇の勅願により、行基菩薩が阿弥陀如来像と観世音菩薩、勢至菩薩の像を彫造して安置したことが寺の始まりとされています。
また、圓明寺には、四国霊場最古の銅板納札として知られる納札が保存されています。慶安3年(1650)の銘があり、四国遍路の歴史を知るうえでも貴重な資料です。
第57番 栄福寺

寺伝によれば、弘法大師が海上安全を祈願して護摩供を修したところ、満願の日に海上へ阿弥陀如来が現れ、その姿を尊像として安置したことが創建の由来とされています。
瀬戸内海沿岸に位置する栄福寺では、古くから海陸安全や福寿増長を願う信仰が続いてきました。
香川県
第64番 前神寺

前神寺の御本尊は阿弥陀如来です。
石鎚山信仰と深い関わりを持つ寺院で、阿弥陀如来を御本尊として祀っています。
第68番 神恵院

第68番神恵院は、第69番観音寺と同じ境内にあり、一つの境内に二つの札所がある珍しい札所として知られています。
阿弥陀如来を御本尊とする神恵院と、聖観世音菩薩を御本尊とする観音寺を、一度の参拝で巡ることができます。
第78番 郷照寺

郷照寺は、四国八十八ヶ所の札所の中でも比較的早い時期から庶民の信仰を集めてきた寺院として知られています。
阿弥陀如来を御本尊として、現在も多くの遍路が訪れています。
まとめ
阿弥陀如来は、西方極楽浄土の教主として、すべての人々を救い、極楽浄土へ導く仏さまとして信仰されてきました。
「無量の光」「無量の寿命」を意味する名前を持ち、日本では「南無阿弥陀仏」の念仏とともに広く信仰されています。
四国八十八ヶ所では、阿弥陀如来を御本尊とする札所が10ヶ所あります。
その中には、第37番岩本寺のように五仏を御本尊とする札所や、第7番十楽寺のように阿弥陀三尊を祀る札所もあります。
同じ阿弥陀如来を御本尊としていても、札所によって寺院の歴史や由来、信仰の形はそれぞれ異なります。
お遍路で阿弥陀如来を御本尊とする札所を巡る際には、極楽浄土や阿弥陀如来の誓願にも注目しながらお参りしてみてはいかがでしょうか。













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