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歩き遍路8日目

歩き遍路 8日目 歩き遍路の記録

歩き遍路8日目は、宍喰から室戸岬を目指す約40kmの長い道のり。高知県に入り、海岸線をひたすら歩きながら、佐喜浜で食料を調達。途中、弘法大師空海ゆかりの御厨人窟にも立ち寄った。夕方、ようやく室戸岬に到着し、岬の先端で野宿。高知県の「修行の道場」を歩いていることを実感する一日となった。

行程表

5月2日 はれ
  • 6:00
    出発
    1. 宍喰
    2. 東洋町
    3. 東詰休憩所
    4. 明徳寺
    5. 佐喜浜
    6. 御厨人窟
  • 18:30
    室戸岬

    野宿

歩き遍路 8日目

宍喰を出発し、高知県東洋町へ

5時起床。外はまだ薄暗い。

今日で歩き遍路8日目。昨日、宍喰の温泉に浸かったおかげか、体が軽い。お風呂に入れなかった翌朝とは、体の感覚が明らかに違う。今日も天気は良さそうだ。

今日は宍喰から室戸岬を目指す。地図上で見ると、宍喰から室戸岬までは約40km。順調に歩いても10時間ほどかかる距離だ。

納経所の受付時間である17時に間に合わせようとすると、焦ってペースを乱してしまうかもしれない。そこで、今日は無理に参拝を目指さず、歩けるところまで歩くことにした。

6時に宍喰を出発

支度を済ませ、6時に宍喰を出発。

30分ほど歩くと、高知県東洋町の看板が見えてきた。

徳島県の「発心の道場」が終わり、ここからは高知県の「修行の道場」に入る。徳島県の序盤で出会った歩きお遍路さんたちも、今頃はどこを歩いているだろうか。これまでの道のりを思い出しながら、高知県へと入っていった。

徳島と高知の県境を示す看板

東洋町・生見海岸を歩く|明徳寺の通夜堂

高知県東洋町には道の駅や宿泊施設があり、室戸岬まで歩く途中に立ち寄りやすい町だ。

隣接する生見地区には、きれいな浜辺が広がっている。サーフィンを楽しむ人も多いようで、サーファー向けの宿も集まっている。お遍路さんの利用も多いのだろう。

生見の防砂林を左手に見ながら歩いていると、東詰休憩所を発見した。ザックを下ろして少し休憩する。時刻は7時30分。日差しが強くなり、暑さを感じ始めていたところだったので助かった。

東詰休憩所

生見から1kmほど歩いたところには、明徳寺がある。

ここは歩きお遍路さんの間でも評判の良いお寺だ。看板やのぼりが立っていたので、場所はすぐに分かった。

明徳寺では通夜堂を利用でき、シャワーや洗濯もできるという。私が通りかかったのは朝早い時間だったため、そのまま歩いて通過したが、時間が合えばぜひ利用してみたい施設だった。

変わらない海岸線を歩く|お遍路をしている実感

明徳寺を過ぎたあたりから、景色は海と空と山が中心になっていく。

歩いても歩いても景観が大きく変わらない。どこまでも続く海岸線を眺めていると、本当に前に進んでいるのか分からなくなるほどだった。

徳島県では街中を歩く区間も多く、普段の生活とあまり変わらないような景色もあった。しかし、ここでは周囲に広がるのは自然ばかり。

海を眺めながら歩いていると、「今、自分はお遍路をしているんだ」という実感が強く湧いてきた。

室戸岬へ続く海岸沿いの遍路道

室戸に入ってからは、ほかのお遍路さんをあまり見かけなくなった。同じようなペースで歩いているから、なかなか出会わないのだろうか。

お寺という場所が、歩きお遍路さん同士の出会いを生んでいたのかもしれない。そんなことを考えながら、ひたすら海岸線を歩き続けた。

途中で「最御崎寺まで29km」の看板を発見。ここまでのペースは順調だ。

最御崎寺まで29kmを示す看板
室戸市を示す看板

佐喜浜で食料を調達|室戸岬までの長い道のり

時刻は13時。佐喜浜に到着した。

ここから室戸岬までは約20km。佐喜浜は、室戸岬へ向かう歩き遍路にとって、貴重な補給ポイントだ。

佐喜浜は室戸岬までの重要な補給地点

佐喜浜にはスーパーや食堂があり、食事や買い物ができる。この先は室戸岬を越えて室戸市街地に出るまで、食料を調達できる場所が限られる。

みかど食堂で昼食

まずは、遍路道沿いにある「みかど食堂」に立ち寄って昼食をとった。遍路道沿いにあるので、歩きお遍路さんにも利用しやすい食堂だ。

みかど食堂

スーパーで3食分の食料を買い出し

昼食を済ませた後は、スーパーで買い出し。宿を利用する予定はなかったので、行動食や菓子パン、弁当など、これからの食事を考えて3食分ほど購入した。

荷物が増え、食料の重さがずっしりと肩にのしかかる。それでも、室戸岬まで歩き続けるためには必要な準備だ。

歩き遍路へのアドバイス|佐喜浜で食料を確保しておく

佐喜浜を過ぎると、室戸岬を越えて室戸市街地に出るまで、食料の調達が難しくなる。特に野宿を予定している場合は、次の補給場所までの距離を考えて、必要な食料を準備しておきたい。

室戸岬へ向かう海岸沿いの遍路道

時刻は14時30分。

室戸の海岸線には日差しを遮るものがほとんどなく、太陽を浴びながら歩き続ける。5月上旬とはいえ、かなり暑さを感じる気候だった。

ちょっとした広場を見つけ、たまらずバックパックを下ろして座り込む。

いつものことだが、私の場合、15時頃に疲労のピークがやってくる。そこから日が暮れる頃までは、気力で歩き続けることが多い。

歩き遍路を続けるうちに、自分の体力や歩くペースが少しずつ分かってきた。

休憩しながら地図を広げる。室戸岬には、今日中にたどり着けそうだ。

歩き遍路で休憩中の私

弘法大師空海ゆかりの御厨人窟を訪れる

17時を過ぎ、日がだいぶ傾いてきた頃、ついに室戸岬の石碑を発見した。

思わず写真を一枚撮る。

そのすぐ近くには、御厨人窟(みくろど)があった。

御厨人窟は、弘法大師空海が修行したと伝えられる洞窟だ。洞窟から見える景色が空と海だけだったことから、「空海」と名乗るようになったという伝説が残っている。

室戸に来たら、ぜひ訪れてみたいと思っていた場所だった。

御厨人窟は、かつて崩落の危険から立ち入りが禁止されていた時期もあったが、現在は落石を防ぐ処置が施されて、8時から17時の間、立ち入ることができるようだ。

洞窟の奥には大師像が祀られている。お賽銭を納め、真言を唱えた。

現在は洞窟の中からは、海と空の他、駐車場も視界に入ってしまうが、空海が修行していた時代には、目の前に海が広がっていたと伝えられている。

長い道のりを歩いてきて、空海ゆかりの場所に立つ。少しでも弘法大師のお力をいただけたような気がした。

室戸岬の石碑
御厨人窟

室戸の温泉

御厨人窟の近くには、室戸の海洋深層水を利用した温泉施設もある。

せっかくなので利用したい気持ちもあったが、すでに夕方。暗くなってから歩くのは危険なので、今日は温泉を我慢して先へ進むことにした。

室戸岬に到着!約40kmを歩いて野宿

18時30分。ついに室戸岬の先端に到着した。

朝6時に宍喰を出発してから約12時間半。距離にして約40kmを歩ききった。

体はへとへとだったが、達成感は計り知れないものがあった。

室戸岬の先端には芝生の広場があり、そこでテントを張って野宿することにした。周囲には海蝕によってできた岩も見られ、独特の景観が広がっている。

重たいバックパックをテントに置き、貴重品だけを身につけて周辺を軽く散策した。

明日の朝は早めに起きて、室戸岬をゆっくり見て回ろう。

室戸岬の広場でテントを設営して野宿

夕食は佐喜浜のスーパーで買っておいた弁当。重たい思いをして運んできた食料が、ようやく役に立った。

今回の区切り打ちも、いよいよ明日で終わる。目標としていた最御崎寺にも参拝できそうだ。

徳島県から高知県へと入り、ひたすら海岸線を歩いた一日。弘法大師空海ゆかりの御厨人窟を訪れ、最後は室戸岬までたどり着くことができた。

歩き遍路の中でも、特に印象深い一日となった。

寺情報

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