歩き遍路9日目は、室戸岬を出発し、24番札所・最御崎寺と25番札所・津照寺を参拝。初めての区切り打ちの最終日となる今回は、室戸岬の景色を楽しみながら2つの札所を巡った。津照寺で打ち止めとし、バスと鉄道を乗り継いで徳島へ。約1週間にわたる初めての歩き遍路が終了した。
行程表
- 6:00出発
- 室戸岬
- 8:0024番 最御崎寺
- 10:0025番 津照寺
- 打ち止め

室戸岬で迎える朝|初めての区切り打ち最終日
5月3日、晴れ。5時起床。
昨日は宍喰から室戸岬まで歩き、室戸岬の先端で野宿をした。今日は、初めての区切り打ちの最終日。きりの良いところまで参拝して、徳島へ戻る予定だ。
今日最初に向かうのは、室戸岬の近くにある24番札所・最御崎寺。室戸岬からすぐ近くにあるが、境内は標高約160mの場所に位置するため、山道を登る必要がある。
朝食は、昨日佐喜浜のスーパーで買っておいた弁当。納経所が開くまでまだ時間があるので、テントを片付ける前に室戸岬周辺を散策することにした。
室戸岬の中岡慎太郎像と荒々しい太平洋
室戸岬でまず目に入るのが、中岡慎太郎像だ。
中岡慎太郎は、幕末に活躍した土佐藩出身の志士。太平洋をじっと見つめるその姿からは、厳しいまなざしが感じられた。
海辺には大きな岩がごろごろと転がり、波からは外海ならではの荒々しさが伝わってくる。
昔の遍路道は、このような岩場を歩いていたと聞いたことがある。当時の履物はわらじだったことを考えると、今よりもはるかに厳しい道のりだったのだろう。
そんなことを思いながら、しばらく室戸岬の景色を眺めていた。


24番 最御崎寺へ|室戸岬から山道を登る
そろそろ出発の時間だ。テントをたたみ、最御崎寺への登り口から山道を上っていく。
石段で整備されているが、実際に上ってみるとなかなかきつい。
山門手前を横に下っていくと、室戸岬灯台がひょっこりと顔を出した。灯台の光を放つ部分とほぼ同じ目線の高さから眺められる、珍しい景色だ。
少し開けた場所からは室戸の港町も見えた。25番札所・津照寺も、あのあたりにあるのだろうか。


最御崎寺の境内と鐘石
朝一番にもかかわらず、境内には数名の参拝客がいた。最御崎寺には宿坊があるので、宿泊していた人たちだろうか。
境内で印象に残ったのは、「鐘石」と呼ばれる不思議な石だ。石同士をたたくと、まるで金属のような音が響く。
最御崎寺の御本尊は虚空蔵菩薩。弘法大師空海が近くの御厨人窟で虚空蔵求聞持法の修行をしたこととも関係が深い。
昨日訪れた御厨人窟と、今日参拝する最御崎寺。空海ゆかりの地を巡りながら、いよいよ土佐の修行の道場に足を踏み入れたのだという実感が湧いてきた。

25番 津照寺へ|室戸の港町を歩く
時刻は8時。次の25番札所・津照寺までは約7km。歩いて2時間弱の距離だ。
少し早い気もするが、今回の区切り打ちは津照寺を最後に終えることにした。そう決めて、最御崎寺を出発した。
天気は雲ひとつない晴れ。午前中はまだ涼しく、歩いていて気持ちがいい。
次のお寺で終わりだと思うと、気持ちにも余裕ができる。いつもより少しゆっくりしたペースで歩き、10時頃に津照寺へ到着した。
朱色の山門と南国らしい境内
津照寺は室戸の港の近くにある。
お寺へ向かう道は少し入り組んでいて、細い道も多い。初めて訪れると分かりにくいかもしれないが、案内看板を見逃さなければたどり着ける。
朱色の山門をくぐると、境内にはソテツが生えていて、南国らしい雰囲気が漂っていた。
120段の階段を上った先にある本堂
大師堂は入口のすぐ近くにある。一方、本堂へ向かうには約120段の階段を上らなければならない。
階段の途中には鐘楼があり、少し珍しい造りが印象に残った。
階段を上りきった本堂からは、麓の港町と太平洋を見渡すことができる。海の安全を願う人々に、古くから大切にされてきたお寺なのだろうと感じた。
大師堂では、今回の区切り打ちを計画通り巡ることができたこと、そして次回はまたここから歩き始めることを、そっと心の中でつぶやいた。

初めての区切り打ちを終えて|津照寺近くで昼食
参拝を終えると、少しお腹が空いてきた。お寺の近くにある食堂に立ち寄り、少し早めの昼食をとる。
注文したのは、冷やしうどんとおにぎり。
これで今回の区切り打ちは打ち止め。初めての歩き遍路は、徳島県から高知県へと進み、室戸の札所を巡るところまで歩くことができた。

バスと鉄道を乗り継いで徳島へ
帰りはバスを利用し、まず高知県と徳島県の県境に近い甲浦へ向かう。そこから鉄道を乗り継いで徳島へ戻る予定だ。
2日間かけて歩いた室戸の海岸線を、今度はバスで一気に走り抜ける。
約1週間ぶりに乗り物に乗ったせいか、景色が移り変わるスピードに少し違和感を覚えた。
歩いているときには、海岸線の景色がなかなか変わらず、目的地までの遠さを感じていた。それがバスに乗ると、あっという間に通り過ぎていく。
人類の長い歴史を考えると、むしろ歩く速度のほうが自然なのではないか。そんなことがふと頭に浮かんだ。
こうして、初めての区切り打ちは無事終了。次回は津照寺から、再び歩き始めることになる。





コメント